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此処はミッドチルダに点在する隊舎内、其処にナンバーズの一人であるセインが存在していた。 彼女はこの隊舎を破壊する為に赴いており、部屋の隅や柱、壁などに時限式の爆弾を仕掛け、 最後の爆弾を設置する為にディープダイバーを用いて隣の部屋へと侵入する。 「これで…さ~いご!」 セインは最後の爆弾を仕掛け終えその場から立ち去ろうとした瞬間、後ろから制止を促す声が聞こえ、 振り向くと其処には教会騎士団のシャッハが身構えていた。 リリカルプロファイル 第三十四話 約束 「魔導師!?いや騎士か!」 「大人しく縛につきなさい!」 しかしシャッハの制止を無視して逃げようとしたところ、シャッハはヴィンデルシャフトを起動、 攻撃を仕掛けセインを壁まで追い詰めると、再度警告を促す。 「ここまでよ、大人しくしなさい」 「それは、どうかな~?」 次の瞬間、セインはディープダイバーを起動させて壁をすり抜ける、 それを見たシャッハは驚く表情を浮かべるが、直ぐに真剣な面持ちとなり、 全身を魔力で覆うと、セインと同様に壁をすり抜けた。 一方壁をすり抜け隣の部屋に逃げ込んだセインはそのまま立ち去ろうとしたが、 後方から先程まで対峙していた人物の声が聞こえ、 驚きの表情を浮かべたまま振り向くと、壁からシャッハが姿を現していた。 「私と同じ能力?!」 「さあ!観念しなさい!!」 そう言うとシャッハのヴィンデルシャフトのカートリッジを一発消費、刀身を魔力で覆いセインに襲い掛かる。 だがセインは体に対消滅バリアを張り、左手でシャッハの攻撃を受け止めると、 続けて右手を握り締め拳を作りシャッハの頭部を狙う、だがシャッハは上半身を仰け反るようにして攻撃を回避した。 しかしセインは続け様に左のジャブを三発、右のフック、左のハイキックを繰り出すが、 そのこと如くが回避されてしまい、苦虫を噛む表情を浮かべるセイン。 一方でシャッハはセインの攻撃力に対し一般的な魔導師や騎士では一撃でやられてしまうだろうと高評価をしていた。 だが動きは荒削りで付け焼き刃的な印象を感じ、シャッハの相手としては些か物足りない相手であった。 そしてこの程度の相手にこれ以上時間をかける訳にはいかないと考えたシャッハは、 カートリッジを二発消費、二本の刀身に先程以上の魔力を乗せると、床を踏み抜く。 「烈風一迅!!」 そして素早くすり抜けるようにしてセインを切り抜け、セインはなす統べなく前のめりに倒れていく、 しかしシャッハの攻撃は非殺傷設定を設けてある為に命に別状無く、 素早くバインドを掛けると仲間と連絡を取り、セインを引き渡すのであった。 一方此処はゆりかご内に存在するスカリエッティのラボ、周囲には生体ポットに保存された検体が並ぶ中、 メガーヌが入った生体ポットの前には、瞳を閉じ肩にアギトを乗せて佇むゼストを発見したアリューゼ。 するとアリューゼの存在に気が付いたのか、ゼストはゆっくりと瞳を開け、アリューゼを見つめていると、 アリューゼはゆっくりと、まるで言葉を選ぶかのように話し始める。 「ゼスト…隊長」 「………かつての部下か?」 「まさか“覚えて”んのか?」 「いや…“聞いた”だけだ」 自分には昔部下がいたという事を聞いた事があるだけであると応え、 アリューゼは静かに佇み暫くすると、ズボンから一つの結晶体を取り出す。 「それは?」 「今のアンタに“必要”なモノだ」 これを届ける為に此処まで来たと告げると、ご苦労な事だと言いながら笑みを浮かべるゼスト。 するとゼストの肩に乗っかっているアギトが信用出来ないと騒ぎ立てるが、ゼストは小さく頭を横に振り、 アギトを黙らせ、そしてアリューゼが手に持つ結晶体に目を向け、何か引かれるものを感じ受け取ると、 ゼストの額から赤い呪印が姿を現し手に取った結晶体が浮き始め、 目の前でまるで解凍されるかのようにして光り輝く球体となり、ゼストに吸い込まれ赤い呪印が消える。 そして暫く辺りは静寂が包み込むと、ゼストはゆっくりと言葉を口にし始めた。 「……久し振りだな、アリューゼ」 「隊長!記憶を!!」 アリューゼの問い掛けに頷き静かに答えアギトは目を丸くする中、ゼストはアギトに目を向け微笑む。 それはつまり昔のゼストの記憶と今のゼストの記憶、両方を持っている事を意味し、 人が変わった訳では無いと知ったアギトは嬉しそうにゼストの周りの飛び回り、 アリューゼもまた嬉しそうな表情を見せるが、直ぐに一変する。 何故ならばゼストの左肩がまるで爆発でもしたかのように飛び散り、血が滴れ落ちたのだ。 「やはり…もう限界か……」 「どういう事だよ!隊長!!」 元々ゼストの肉体はレザードによって損傷していた、だがそれをスカリエッティの手によって修復された。 だがそれだけではなくレリックとリンカーコアの強制接続により肉体を強化させたのだが、 その代償に肉体の劣化が早く進行する事になり、更に今回の戦いにより肉体の劣化は限界に達し、 いよいよ肉体の崩壊が始まったのだと、左肩を押さえながらゼストは語る。 「クソッ!そんなのアリなのかよ!!」 「……アリューゼ、構えろ」 アリューゼが悔しがる表情を見せている中、ゼストはデバイスを起動させると徐に構え始める。 ゼストの肉体は死を待つだけの状態である、ならばと最後にアリューゼとの模擬戦を望んでいた。 だがそれだけではない、たとえ本人の意思では無いとしても今回の事件に加担した、 その罪は償わなければならない、故にゼストはアリューゼと対峙する事にしたのだ。 するとゼストの意志を汲んだアリューゼはデバイスを起動、バハムートティアを肩に構え大きく間を取り始める。 そして静かに構えている中でアギトは立会人として二人の間に立ち、ジッと身構えていた。 暫く静寂が包み込み、二人は集中力を高め呼吸を合わせ始める、 そしてお互いの呼吸が合わさった瞬間、カートリッジを一発ロード、 ゼストが飛び出すようにアリューゼに迫り槍を振り上げる中、アリューゼはゼストに背を向けるほどまでに振りかぶっていた。 『うおおおおおおお!!!』 互いの気合いがこもった叫び声が重なり合いゼストは槍を振り下ろし、アリューゼもまた叩き斬るようにして振り下ろした。 そして互いの位置が反転すると、アリューゼの左肩から血が吹き出す、 一方ゼストは槍を二つに断ち切られ胸元に深い傷を与えていた。 デッドエンド、相手に背を向ける程までに振りかぶり一気に振り抜く、 アリューゼが扱う技の中で最も扱いが難しく、また最も威力のある技である。 「旦那ぁ!!」 立会人であるアギトがいても立ってもいられず駆け寄ろうとしたが、 ゼストは左手を向けて制止を促すと、振り向き右拳を握り殴りかかる。 するとアリューゼはバハムートティアを肩に構えながら振り向きカートリッジを二発消費、 刀身は熱せられたかのように真っ赤に染まると刀身をゼストに向けて突撃、 ゼストの身を貫くと大きく振り上げ、ゼストは爆炎に飲み込まれた。 そして辺りはファイナリティブラストによって燃え盛っていた炎が落ち着きを見せていく中、炎の中央では体に火が付いたゼストが佇み、 アリューゼに小声で「強くなったな…」と述べると、ゼストの姿を発見したアギトは泣きじゃくりながら駆け寄る。 「旦那!今炎を――」 「いや、このままでいい……」 既に肉体は死に絶え後は醜く崩壊を待つのみ、それを知ったアリューゼは、 ゼストに対しせめての手向けとして火葬を行ってくれたのだと、 アリューゼの計らいに感謝する気持ちで応え、右の人差し指でアギトの涙を拭き取る。 「だから泣くな、それに…お前が望む使い手に出会えたのだ」 「旦那……」 アギトの能力である炎変換資質はアリューゼの技と相性も良いし彼なら良く扱ってくれるであろうと語り、 ゼストの言葉に口を紡ぎながら涙をまた浮かべ、ゼストは小さく笑みを浮かべると、今度はアリューゼに目を向け言葉を口にする。 「アリューゼ…メガーヌを頼んだぞ!!」 ゼストの最後の言葉にアリューゼは小さく頷くと、安心したのか微笑みを浮かべ、 炎が顔まで覆い全身を包み隠すと、まるで消えるようにしてゼストは燃え尽きていった。 …そしてアギトは大声で泣きじゃくり辺りに響いていく中、 アリューゼはアギトに目を向け静かに…問い掛けるかの様に言葉を口に始める。 「…お前はどうする気だ?」 「…ヒック…旦那の…最…後の望み…なんだ……だから!!」 「…そうか」 アギトは右腕で涙を拭い決意ある瞳で答えると、アリューゼはメガーヌの入った生体ポットを見上げる、 …生体ポットの中にいるメガーヌは心無しか悲しそうな表情を浮かべているように思えた。 場所は変わり此処は聖王教会付近に存在する森の上空、 其処ではなのはとヴィヴィオが熾烈な争いを繰り広げられていた。 なのはは既にブラスター1を起動させており、ヴィヴィオもまたレリックの一つを起動させている状況であった。 その中でヴィヴィオは先ず五発の虹色のディバインシューターを作り出し、 なのはに向けて螺旋を描く軌道で撃ち抜くが、なのはは縫うようにして回避、 更に体を右回転させながらアクセルシューターを五発ヴィヴィオに向けて撃ち抜く。 しかしヴィヴィオは臆する事無くアクセルシューターを身に覆った虹色の膜で次々に弾いていきなのはに押し迫る、 聖王の鎧、古代ベルカの王が持つ遺伝子レベルに所有する防衛能力で、攻撃・防御共に高い効果を持つ資質である。 そしてヴィヴィオは左手を握り締め拳を作ると真っ直ぐなのは目掛けて振り下ろす、 だが、なのははアクセルフィンを全開にして後方へ移動、ヴィヴィオの攻撃を回避した。 だがヴィヴィオは右手をなのはに向けると手には虹色の魔力球が握られており、加速しているように見えた、 そして右手に二つの環状の魔法陣と足下に円状の魔法陣を張ると――― 「ディバイン…バスタァ!!」 ヴィヴィオは虹色のディバインバスターを撃ち放ち、なのはに迫る中すぐさまレイジングハートを向けてショートバスターを撃ち抜く、 だが威力が違う為見る見るうちに圧されていくがカートリッジを一発ロード、 威力を高めディバインバスターと変わらぬ威力にてヴィヴィオのディバインバスターを相殺して終わる。 先程放たれたディバインシューターに今のディバインバスター、 本来ベルカの人間は接近に特化した者が多く、射撃系は牽制程度が殆どなのであるが、 ヴィヴィオの放った魔法は十分な威力を誇っていた。 恐らくヴィヴィオは資質として魔力の射出・放出を持っているのであろう、 だがそれだけでは無くベルカ本来の接近にも十分順応しているとみるなのは。 そしてヴィヴィオの能力の分析終えたなのはは本来の目的である説得を促す。 「ヴィヴィオ聞いて!ベルカは対話による道を選んだ!もう争う事なんて無いんだよ!!」 「戦わぬベルカなどベルカではない!そしてあんなものを融和と呼べるものか!!」 元々ベルカは戦い勝ち取る事で強く、また大きくなっていった、言うなればそれが矜持、 それを忘れてただ相手の望むまま思うがままの行動をとるなどと融和とは呼べない、 そんなものはただの植民地支配に過ぎないと力強く答える。 「それもこれも今のベルカには王がいないからだ!だからこの私が生まれたのだ!!」 そして生まれたからには自分の使命を逐わなければならない、 ヴィヴィオの使命、それは即ちベルカの威光を復活させる事、その為ならば自らを兵器になる事すら厭わない、 そう語るとヴィヴィオは右拳を握り締めなのはに殴りかかるが、 なのははプロテクションを張り防ぐと、続け様に何度も叩き付け始め今度はなのはが言葉を口にする。 「違う!ベルカは敗戦後自分達の考えを改めた!その結果が今のベルカなんだよ!!」 誰かに強要されたわけでも無く、ましてやミッドチルダに支配されていた訳でもない、 敗戦後生き残ったベルカの人々が自ら考え選んだ道であり、ミッドの人々もそれを受け入れた、 その結果、強力な指導者が必要としなくなり、聖王もまた、 宗教的な意味合いとなったのだろうと応えると、ヴィヴィオは震えるようにして言葉を口に出す。 「ならば…私は何の為に生まれてきたのだ!!」 そして両拳に雷を纏わせ合わせると地上に向けて一気に振り下ろし、 なのはのプロテクションを破壊、一気に地上に叩きつけた。 プラズマアームと呼ばれるバリア破壊効果を持つ雷を拳に纏わせて攻撃する近接魔法である。 だがなのはがゆっくりと立ち上がり森の中に身を隠すとカートリッジを二発消費、ヴィヴィオ目掛けて次々とアクセルシューターを撃ち抜く。 一方ヴィヴィオの目線では、なのはの姿が見受けられず森の中から続々とアクセルシューターが襲いかかり、 聖王の鎧にて攻撃を防いでいく中、左手に巨大な魔力球を作り出し、森の中へと投げ込む、 そして魔力球が森の木々に触れた瞬間、一気に拡散し無数の虹色の魔力弾が辺りの木々を次々に薙ぎ倒していった。 セイクリッドクラスター、対象に接触もしくは目前で爆散し、小型の魔力弾を広範囲に渡ってばらまく圧縮魔力弾である、 しかもヴィヴィオの魔力と資質によって小型の魔力弾も相当な威力を誇っているのである。 「…いないか」 セイクリッドクラスターが撃ち込まれた場所は木々が薙倒れ大きく円を描いており、 今度は他の場所に左手を向けてセイクリッドクラスターを次々に撃ち込んでいく、 その頃なのはは森の中で木々が倒されていく事に警戒し、 上空を見上げるとヴィヴィオの周りにセイクリッドクラスターが五発用意されている事に気が付く。 「ならば!この森ごと葬ってくれる!!」 次の瞬間五発のセイクリッドクラスターはある程度の距離を置いて撃ち放たれ、 森の目前で次々に爆散、無数の魔力弾が驟雨の如く迫ってきていた。 それを目撃したなのははオーバルプロテクションを張り攻撃に備えると、 無数の魔力弾は次々に木々を薙ぎ倒し、辺りは見通しがよい風景へと変貌する。 ヴィヴィオはその風景を目を凝らして見つめなのはの姿を探していると、 倒れいる木々の中から桜色の防御壁に守られたなのはが上空へと向かっていくのを発見、 するとヴィヴィオはソニックムーブを用いて押し迫ると左のプラズマアームで防御壁を破壊し、 更に右手をなのはに向け拳から直射砲を撃ち抜く、 インパクトキャノン、近接戦闘における砲撃で、射撃系魔導師にとって重宝する魔法である。 そしてインパクトキャノンを撃ち抜いたヴィヴィオはその先を見つめると、 其処にはなのはが矛先を向けており、その姿にヴィヴィオは警戒していると、 なのははブラスター2を起動、更にA.C.Sドライバーを発動させて一気に加速、 ヴィヴィオに突撃するがヴィヴィオの聖王の鎧が自動的に発動、なのはの攻撃を受け止める。 だがなのはは臆する事無く突撃を続け、先端部分から魔力素が火花のように散り聖王の鎧にひびが入ると、 すかさずカートリッジを三発消費、すると先端部分の魔力刃が強く輝き出す。 「エクセリオン!バスタァァァ!!」 なのはの叫びと共にエクセリオンバスターは撃ち放たれヴィヴィオは飲み込まれていき、 撃ち放った先を見つめると、エクセリオンバスターを耐え抜いたヴィヴィオの姿があり、 その足下にはミッド式の魔法陣が張り巡らせ、右手をなのはに向けると、虹色の魔力が流星のように集い始める。 「まさか!それは収束砲!!」 「自分の技をその身に受けるが良い!スターライトブレイカァァァ!!」 そう叫ぶと虹色のスターライトブレイカーが撃ち放たれ、なのははラウンドシールドを張り攻撃に備えた。 だがスターライトブレイカーの威力は、なのはの想像よりも高く、 徐々に圧されていきラウンドシールドにひびが入り砕けると、そのまま飲み込まれていった。 そして暫く辺りを静寂が包み込む中、撃ち抜かれた後にはなのはの姿が現れる。 収束砲の使用は流石になのはも驚きの表情を隠せないでいた、 何故ならヴィヴィオが使用した収束砲はなのはのそれと全く同じ技術を用いられていたからである。 おそらくはホテル・アグスタ戦並びに地上本部戦の際に使用したなのはの収束砲を、 レザードもしくはスカリエッティが解析し、その後ヴィヴィオにもたらしたのだと思える。 …それは奇しくもなのはの技術がヴィヴィオに母から子へと引き継がれた事を意味していた。 そして収束砲を受けたなのはは、まるで疲れ切った表情を浮かべていると不敵な笑みを浮かべるヴィヴィオ。 「少し…オイタが過ぎるんじゃないかな?ヴィヴィオ」 「……この期に及んで、まだ母親面をするつもりか!」 自分とは血が繋がってはおらず、既に親子関係すら絶たれている、その事をいい加減理解しろ! …とヴィヴィオは睨みつけながら語るが、なのはは大きく首を振り強く否定する。 なのはと兄恭也そして姉美由希とは血が繋がってはいない、 だがそれでも家族として暮らしていた、血の繋がりが重要なのではない。 一緒に笑い合い泣き合い、時には叱られたり喧嘩したり、 心を許せる存在、それが家族であり仲間であると力強く言葉を口にする。 「ヴィヴィオ!本当の望みはいったい何なの!!」 「わっ私の望みはベルカの復興―――」 「違う!聖王としてじゃなくヴィヴィオ“本人”の望みだよ!!」 聖王とはあくまで役目・役職、個人を指し示すものでは無い、 故にヴィヴィオの本当の望みは違うと考えていたなのはは強く問い掛ける、 するとヴィヴィオの中で何かが砕け散った音が響き、俯き暫く静寂に包まれると、静かに言葉を口にする。 「私の本当の望みは………な――」 ヴィヴィオが自分の想いを告げようとした瞬間、両手で頭を押さえ苦しむ表情を見せると、 体から大量の虹色の魔力が放出、その勢いと輝きになのはは右手で光を遮りながら目を凝らしていると、 額に赤い呪印が浮かび上がり胸元からレリックが二つ現れ、レリックには赤い五亡星の陣が刻まれていた。 ヴィヴィオのリンカーコアには王の印であるレリックを二つ繋がれていたのである。 するとレリックはヴィヴィオの両手袋に備え付けてある結晶体に取り込まれ、 結晶体に五亡星が浮かび上がると両腕から虹色の魔力が放出し体を纏うと、 瞳から光が消え険しい表情のままヴィヴィオはなのはを睨みつけていた。 なのははその変貌に戸惑っていると、ヴィヴィオはソニックムーブを発動、 一瞬にしてなのはの懐に入ると左拳が鳩尾に突き刺さり、引き抜くと同時に左に一回転、 左の肘が脇腹を突き刺し、よろめきながらなのはが一歩下がると右のアッパーがなのはの顎に突き刺さる。 そして上空に跳ねられると左拳を胸に叩きつけそのまま縦に一回転すると同じ場所に右の踵落としを叩き込み、 なのはは勢い良く地上に激突、その衝撃は木々をへし折り地面に大きなクレーターを作り出した。 だがなのはは立ち上がりクレーターの中央でA.C.Sドライバーを起動、一気に加速して突撃するが、 ヴィヴィオは左手に虹色の魔力を纏い、なのはの魔力刃が聖王の鎧に接触する瞬間を見計らって弾くと、 そのままの勢いを利用して左回転からの右の肘打ちを叩き込もうとしたが、 全方向性のオーバルプロテクションを張っていたようで攻撃を防がれる。 ところがヴィヴィオは左の魔力を雷に変えプラズマアームを発動させると、躊躇無く振り抜きバリアを破壊、拳が背中に突き刺さる。 だが攻撃はまだ終わらず右拳からインパクトキャノンを撃ち出し、飲み込まれながら吹き飛ばされるが、 なのははブラスター3を起動、それによって生み出された魔力を使ってインパクトキャノンをかき消した。 「……ヴィヴィオ」 今までのヴィヴィオとは全く異なる、まるで機械のような無慈悲で正確な動き、 それは表情を一切変えない事でまるで兵器を相手にしている印象を強く感じ、 なのはは戸惑う様子を見せるが、已然としてヴィヴィオは険しい表情のままなのはを睨みつけていた。 するとヴィヴィオの瞳から一筋の涙が流れ落ちる、その涙はまるでヴィヴィオの抵抗にも見えていた。 ヴィヴィオは助けを求めている、そう感じたなのはは決意を秘めた瞳で応える。 「助けるよ……何時だって…どんな時だって!!」 そしてなのははカートリッジを全て消費、レイジングハートをヴィヴィオに向け更に囲うように四基のブラスタービットを設置して魔法陣を張ると、 ヴィヴィオもまた両手で四カ所かざし魔法陣を張り、最後に真っ正面に大きな魔法陣を張ると両手を水平に構える。 すると両者の魔法陣に魔力素が流星のように集まり出し、五つの収束砲を作り出すと、なのははレイジングハートを振り上げた。 「全力!全開!!スターライト…ブレイカァァァァ!!!」 なのはの叫びと共にレイジングハートを振り下ろし、ヴィヴィオは両手を合わせて向けると両者のスターライトブレイカーが撃ち放たれ、 辺りを桜色と虹色の魔力光で照らし、魔力素が火花のように散りながら収束砲はぶつかり合っていた。 その中で足を踏ん張り堪えている両者、その衝撃はまるで台風をその身で浴びるように強力で必死な形相で耐え抜いた。 両者のスターライトブレイカーの威力は互角な状態、膠着状態が暫く続き、なのはの額には汗が浮かび上がり、 それでも尚、ヴィヴィオを助ける為に撃ち続けていた。 今度こそ助ける、あの時…地上本部の時に約束した事を今こそ果たす為に… だが徐々になのはのスターライトブレイカーが押され始める、 今のヴィヴィオには自分の意志とは関係無く、両手に繋がれているレリックのエネルギーを、 直接引き出し魔力に変えて撃ち抜いているのである。 それを可能にしているのが額に浮かび上がった呪印で、ルーンの一つでありヴィヴィオの変貌もまたこの呪印が原因なのであるのだが、 不死者などに刻まれているルーンとは異なりある行動をとると、それをきっかけにルーンは発動、 対象の行動を支配・制御し、また思考を停止させて敵対象を殲滅する為の兵器へと変貌させる呪印なのである。 この呪印を施したのは勿論レザード、彼はもしも洗脳が解けた場合に備えて保険として施したのである。 つまりこの呪印とレリックを破壊すればヴィヴィオは元通りなるという事でもあった。 だが兵器と化したヴィヴィオはなのはですら押されてしまう程の実力を持ち、 スターライトブレイカーも徐々にだが、確実になのはが押され始めていた。 「くぅ!……後もう少し…もう少しで助けられるのに!!」 カートリッジは既に消費済み、懐には予備のカートリッジが存在しているが今から交換する事も出来ない… というより余裕が無いのだ、それ程までになのはは切羽詰まっていたのである。 たがなのははこの状況にも関わらず希望を捨ててはおらず、不屈の心は折れてはいなかった、 するとなのはの腰に備え付けてあるミリオンテラーがなのはの意志に呼応するように輝き出し、 白銀の魔力がなのはの体を包み込むと、今まであった負担が一気に軽くなりリンカーコアも活性しているのを感じていた。 「これは!?助けてくれるの?」 突然の助太刀に驚くも感謝を浮かべ、力強く正面を向く、 今の状態ならイケる…そう確信したなのはは力強く叫んだ。 「ブレイクゥゥ…シュウゥゥゥゥゥトッ!!!」 次の瞬間、体を纏っていた白銀の魔力がスターライトブレイカーに混ざり合い螺旋の模様を描きながら、 ヴィヴィオのスターライトブレイカーに激突、見る見るうちに押し返していき、とうとう撃ち破った。 そしてヴィヴィオの体は飲み込まれていくと、額の呪印がまるで風化するようにして消滅、 すると両手に取り込まれていたレリックが現れ、ひびが入ると砕け爆発した。 そして撃ち終えたなのはは肩で息をしながら目先に向けると、 其処には少女の姿に戻ったヴィヴィオがおり、体には聖王の鎧が纏っていた。 どうやらレリックの爆発に反応して発動したらしく、ヴィヴィオの体は奇跡的に無事なようである。 するとヴィヴィオの体に纏っていた聖王の鎧がゆっくりと消えていき落下し始めた。 「ヴィヴィオ!!」 なのははすぐさまヴィヴィオの元へ駆け寄り、ヴィヴィオの体を抱き抱え地上に降りると、 その温もりに気が付いたのかヴィヴィオは意識を取り戻す。 「……なのはママ」 「…ヴィヴィオ!無事だったんだね!」 なのははヴィヴィオの無事な姿に力強く抱き締め大粒の涙を零す、 するとヴィヴィオは今までの恐怖から解放された為か、 それともなのはに抱かれ安心したのか大粒の涙を零しながら、なのはに抱きつく。 「…ごめ…んな゛…さい……な゛の゛は…マ゛マ」 「もう…大丈夫だから……もう…安心していいんだよヴィヴィオ…」 ヴィヴィオは泣きじゃくりながら何度も謝り、そんなヴィヴィオの姿を優しく抱き締め受け止めるなのはであった…… 前へ 目次へ 次へ
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魔法戦記リリカルなのはForceNEXT Design07 「リリカルなのは」最新シリーズのダブルヒロイン、アイシス。彼女は、既存のどれとも似ていない装備を、突然身にまとった―― アイシス・イーグレット×アーマージャケット パフュームグラブ パフュームグラブ アイシス自作の「コンバットギア」。手首の先に装備されたバルーンから、粉塵や気化液を放出するための装備。 4つのバルーンにはそれぞれに異なった内容物を収めることが可能で、内容物の散布の際には、 範囲や指向性をある程度調整する機能も備えている。 駆動システムには燃料電池を採用しており、魔力阻害状況下においても問題なく機能を発揮する。 アーマージャケット パフュームグラブ・アマージャケットの双方に搭載されている「燃料電池による魔力近似のエネルギー発生」を行うユニットは、 アイシスがとあるルートで入手したもので、このジャケットもその機能を生かし、 アイシスが自身の「望む活動」を充分に行えるように調整した装備。 防護服としての機能のほか、もとより強力なアイシスの身体能力をさらに高める「強化服」としての機能が重視されている。 アーマージャケット パフュームグラブ設定原画 パフュームグラブ グラブというか、もはや手甲ですが… エアインテイク カートリッジ回ってます 排気ダクトカートリッジ使用時の排気に使います バルーンまだ大きければ、小さくしていただいて構いませんので!! クッション素材※腕への装着部分の裏側に使われている。 アイシス アーマージャケット ※胸部と腰部の薄い服だけ、腕はスカスカの手甲と長手袋だけで肩当てもなく、腹部も脚部も丸出しの上、装甲と言える部分は皆無に近い。 くの一的な雰囲気・シルエットを狙ってみました。 右手は短いグローブです。 表面には宝玉がはまってます※腰に付いてるスカートのヒラヒラ部分。 このヒモは腕にまいたり、たなびかせたりと色々表情付けるのに使ってください。※右手のグローブに付いてる長いリボン状の紐 アンダーは結構エッチな感じ(笑) この部分のジョイントにアーマーを接続します。※腰の部分です。 パンツ・ベルトは元のものを流用します。 スカートはふんわり
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大戦略ポータブル2の兵器一覧【GR国】 空(7種21機) Name Category 価格 燃料 弾数 索敵 回避 移動 射程 火力 対空 対ヘリ 対戦 対トラ 対ミサ E-Fgtr2000 T1 戦闘機 6000 47 4 2 30 8 1 110 85 87 0 0 0 E-Fgtr2000 T2 7000 58 38 122 88 91 E-Fgtr2000 T3 8300 66 5 45 135 94 93 Trnd GR.Mk1 戦闘攻撃機 5300 53 4 2 36 6 1 100 70 65 70 60 0 Trnd GR.Mk4 6900 56 5 39 115 75 70 75 65 Trnd GR.Mk4s 7800 58 6 42 135 90 87 85 70 Jgur GR.Mk1B 攻撃機 5000 45 4 2 43 6 1 95 0 0 84 80 0 Jgur GR.Mk3A 5400 50 5 110 90 85 Jgur GR.Mk3B 6200 70 5 140 91 95 Hrir GR.Mk5 攻撃機 5200 40 3 2 33 6 1 100 0 0 66 54 0 Hrir GR.Mk7 5600 43 4 36 115 72 60 Hrir GR.Mk9 6200 46 5 38 130 80 68 Trhd GR.Mk1A 偵察機 4300 50 2 3 21 6 1 50 72 80 0 0 0 Trhd GR.Mk4A 5400 55 4 24 56 74 83 Trhd GR.ECR 5900 62 27 7 62 77 87 AH Mk1Apc 攻撃ヘリ 2900 50 4 2 17 5 1 82 0 80 50 65 0 AH Mk1B Apc 3250 53 20 92 86 54 74 AH Mk1C Apc 3700 57 5 24 102 91 59 80 Lnks AH7 中型輸送ヘリ 1600 55 3 1 20 5 1 80 0 80 50 55 0 Lnks AH9 2000 57 21 95 70 65 70 Lnks AH9s 3300 59 4 23 80 76 77 陸(13種39機) Name Category 価格 燃料 弾数 索敵 回避 移動 射程 火力 対空 対ヘリ 対戦 対トラ 対ミサ Chgr1 主力戦車 3600 41 4 1 40 4 1 130 0 0 80 78 0 Chgr2 4500 42 5 43 145 85 85 Chgr2E 5800 46 47 160 90 93 Wrir FV510 歩兵戦闘車 740 39 6 3 28 3 1 60 0 26 18 77 0 Wrir 改 820 32 7 30 28 20 80 Wrir 2000 900 36 8 32 30 24 Scsn AT105 兵員輸送車 300 43 4 1 26 4 1 46 0 20 31 67 0 Scsn LHD 350 49 21 33 70 Scsn IS 500 54 27 22 35 73 Strk FV102 戦車駆逐車 720 61 6 1 23 3 1 85 0 0 84 21 0 ACLS 1020 64 26 90 88 23 ACLS改 1620 2 95 93 25 AS90 自走榴弾砲 自走砲 1120 35 4 1 24 3 3 95 0 0 67 59 0 AS90 52口径換装型 1400 40 5 26 99 72 63 AS90s LINAPS搭載型 1850 43 6 102 80 72 Stmr (HVM) 対空車両 2800 50 4 3 35 4 3 80 75 80 0 0 0 Stmr (HVM-1) 3100 52 39 85 78 86 Stmr (HVM-L) 3300 56 43 90 81 91 227mm MLRS 自走ロケット砲 2300 40 2 1 20 3 4 115 0 0 55 78 0 227mm MLRS A1 2700 47 3 21 125 70 80 227mm MLRS A2 3100 55 4 23 130 85 82 RAPR 対空ミサイル車両 4300 47 4 3 39 3 4 85 75 80 0 0 0 RAPR MK.2 5900 49 40 89 78 85 RAPR 2000 6600 51 41 96 80 90 GR国輸送トラックⅠ 輸送車両 100 70 4 1 25 5 1 40 0 0 60 65 0 GR国輸送トラックⅡ GR国輸送トラックⅢ GR国補給車Ⅰ 補給車 650 65 4 1 15 4 1 25 0 0 44 55 0 GR国補給車Ⅱ 690 68 17 30 48 60 GR国補給車Ⅲ 720 71 20 35 55 65 GR国歩兵Ⅰ 歩兵 150 50 5 1 22 3 1 30 0 0 5 45 0 GR国歩兵Ⅱ 220 53 6 25 GR国歩兵Ⅲ 360 56 7 28 GR国戦闘工兵 戦闘工兵 310 45 4 1 27 2 1 87 0 0 59 20 0 GR国空挺部隊 360 48 5 31 63 24 GR国特殊部隊 410 51 6 35 3 69 28 ASTR 30 対空ミサイル車両 5600 31 4 3 34 3 4 100 80 80 0 0 0 ASTR 30 MK.2 7100 34 5 38 105 86 84 ASTR 30 MK.3 8000 39 6 41 110 90 90
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ユーノ・スクライア司書長の女難 ◆9L.gxDzakI 時は流れ、暗黒の森にも微かな明度が差していた。 フィールド全体を覆っていた夜の闇はなりを潜め、僅かに顔を出した太陽の光が広がっていく。 朝靄漂う森の中、かさり、かさりと響く音。 朝露に濡れた草木を踏みしめながら、林間を進む者達がいる。 並んで立つ2人組はどちらもが女性であり、どちらもが白い服を身に纏い、どちらもが金色の瞳を持っていた。 とはいえ共通点はそれだけで、他の部分は大幅に異なっている。 まず、頭髪。片方は瞳と同じ金色だが、もう片方はむしろそれと対を成す銀髪。 続いて、外見年齢。金髪の方は10代後半の少女だが、銀髪の方はその10代に差し掛かるか否かと言った幼児。 特に金髪の方はというと、非常に整ったプロポーションを持った、グラマラスな女性だった。 豊かに胸元の布を押し上げる双丘、一級品の彫刻のごときラインを有した肢体。 隣の幼児体型の銀髪と並べると、これは一体何の嫌がらせですか、とでも言いたくなる。 とはいったものの、もはや銀髪の方はそれも気にならなくなったらしい。 傍らでふわふわと浮遊するガジェットを見ながら、何事かを思考している。 「まずいな……レリックの反応が移動を始めた」 微かに苦々しげな響きを込めながら、銀髪――チンクが呟いた。 片方を眼帯に覆われた黄金の隻眼は、レーダーの上で動くマーカーをじっと見つめている。 「レリックの持ち主が、病院を出たということ?」 「そうなるな」 金髪――明日香の問いに、チンクは答える。 「となると、結構厄介なことになりそうね……」 言いながら、明日香が嘆息した。 もしも目標が病院に篭ったままだったならば、ある程度はスムーズに事が進んだだろう。 しかし目標は動いている。となると、少々面倒なことになってくる。 もとより病院というものは、この舞台の中でも比較的安全な場所と言えた。 バリケードを設置すれば侵入者を遮断できるし、医療品を使った治療も行える。 もっとも、自分達戦闘機人のように、通常の人体とは異なる身体を持っている者の場合は、若干勝手が違ってくるのだが。 ともかくも、病院に篭っていれば、ある程度の安全性が確保できる。 つまりそこに居続ける者は、この殺し合いに消極的である者である可能性が高い。 だが、今回のようにそこから移動する人間は違う。 わざわざ安息の地を捨ててまでフィールドをうろつく理由は2つに1つ。 積極的に殺し合いを止めようとする人間か、積極的に殺し合いに乗ろうとする人間のどちらかだ。 特に後者であった場合、非常に始末が悪くなる。不用意に接触しては、そのまま戦闘になりかねない。 (もしも戦闘になった場合、レリックの回収と姉妹との合流……どちらを優先する?) そしてこの場において、もっともチンクが問題視していたのが、それだ。 既にメッセンジャーとして、2機のガジェットを街に放った。 これをクアットロとディエチが読めば、2人は日が昇りきるまでに病院に向かうだろう。 しかしそこに、自分がいなかった場合はどうなる。 時間の推移から察するに、2人が病院に着くのは最初の放送の後となる可能性が高い。 前ならばまだよかった。無人の病院に着いたとしても、後から流れる放送に自分の名前がなければ、ひとまず生きていると確認は取れる。 だが生憎と、それは望めそうにない。情報も何もないままに、姿を現さないチンクの安否への不安に囚われることとなる。 叶うことならばレリックを後回しにし、姉妹との合流を急ぎたいとは思う。 しかし、それではそのタイムロスの間に、聖王の器が殺害されてしまうかもしれない。 脱出のための鍵を取るか、共に脱出すべき家族を取るか。 答えが出るとも到底思えない、究極の二者択一。 「……天上院、ひとまずお前の支給品を見せてくれないか? いざ戦闘となった場合のために、使える手札は把握しておきたい」 だがどちらを選ぶにせよ、まずはしておかなければならないことがあった。 時間を破ってまでレリック確保に専念するにせよ、時間を守って敵前逃亡するにせよ、武器は必要だ。 「分かったわ」 言いながら、明日香がデイパックの口を開け、中の物をあさり始めた。 無論、ケースに入れられた3つのカプセルについては伏せながら。 「一番目立つのはこれね」 最初に取り出されたのは、大仰な兜だった。 煌びやかな宝石がちりばめられた豪奢な造形に、両脇からせり出した猛牛のごとき凶悪な角。 中央には黄金の翼を生やした、コブラのレリーフが取り付けられている。 見るからに剛健な兜が、明日香の両手に抱えられていた。 「確かに防御力はありそうだが……頭だけ守ってもな」 「ええ……それにこれ、すごく重いし」 互いに険しい表情を浮かべるチンクと明日香。 これがまだ鎧だったならば、まだ防御手段としては有効だっただろう。 しかし、この支給品は兜単品。頭狙いの攻撃以外は防げない。その上一般人が扱うには凄まじく重い。 これでは装備したとしても、ただの重りにしかなり得ないだろう。 もっとも、このインパクトに見合うだけの人物が装備すれば、それなりの威圧感を与えられたのだろうが。 ともあれ少なくとも、これは明日香には見合わない物だ。現状において役立たずとなったそれを、デイパックにしまう。 そうして続いての支給品を取り出した。 「これは……籠手、か?」 外気に晒されたのは、またしても黄金色に輝く物体だった。 緑色の宝石を煌かせ、獅子の顔を象ったようなそれは、見たところ左腕に嵌めるためのガントレットらしい。 「ここに……ほら」 怪訝そうな表情を浮かべるチンクの目の前で、明日香がそこから何かを引き抜いてみせた。 現れたのは1振りのナイフ。エメラルドのごとく透き通った、見事な刀身を輝かせている。 他に機能はないようだ。要するに、これはそのナイフの鞘らしい。 「また随分と大仰な鞘だな」 もう少しデザインセンスはなかったものか、と、呆れながらチンクが言った。 ともあれその鞘――彼女らは知る由もないが、名を「ガオーブレス」と言う――を、明日香の左腕に嵌める。 頑丈な金属で作られている以上、籠手としても一応扱うことはできるだろう。 おまけに、それほど重くない。戦闘が控えていると分かった以上は、装備しない手はない。 そして、取り出された最後の1つは、 「……トランプ?」 絵札52枚に、ジョーカー2枚。ケースに収められた、54枚組1セットのトランプだった。 何の変哲もない、ただのカード。おおよそ意味があるとは思えない。要するに、ハズレ。 どうやら明日香に支給された物のうち、役に立つのはガオーブレスぐらいだったらしい。 もっとも、先の兜などは、最悪ランブルデトネイターで爆弾へ変えることもできる。ただ、それはあくまで最終手段。 考えても見てほしい。それほどまでに大きく重いものを、わざわざしんどい思いをしてまで誰が投げようか。 「まぁ、何にせよ、このレリックの持ち主と相対した時には……、!」 言いかけたチンクが、そこで言葉を切った。 「どうしたの?」 「しっ……誰かが近寄ってきている」 首を傾げた明日香に向かって囁くと、木陰に隠れるように指示を出した。 戦闘機人の鋭敏な聴覚は、唯人たる明日香には捉えられないような音でさえも聞き分ける。 彼方から迫ってくる車輪の音。すなわち、何者かの気配。 可能性は薄いだろうが、あの緑の鎧の男かもしれないのだ。明日香を庇いながら戦える相手ではないことは、先の戦闘で重々承知している。 やがて音量は彼女の耳にもはっきり聞き取れるようになり、そのまま通り過ぎた。 ぶぅぅぅぅぅん。エンジン音が疾走し、彼女らのすぐ傍を走り抜ける。 一瞬しか見ることはできなかったが、確かローラーブーツを履いた少女だったか。 ちょうどチンクと外見年齢は同じくらい。紫の髪に、赤い瞳が特徴的だった。 感情に乏しい表情で、コートをたなびかせながら脇を通過していき―― 「――ってちょっと待ったぁぁぁぁぁ!」 思いっきり見覚えのある人間を、チンクは身を乗り出して呼び止めた。 ◆ 自分は何をやっているのだろう。 心底、ユーノ・スクライアは呆れ返っていた。 自分の保身のために人間の男としての尊厳を捨て、彼は1匹の雄フェレットとしての道を選んだ。 そもそもそれが、自分が小さくなれば首輪も外れるだろうという、馬鹿馬鹿しい判断ミスに端を発している辺りが情けない。 おかげで自分は、人間として行動することを許されなくなった。少なくとも、この少女と同行している限り。 この身体では支給品を扱うこともできないし、仲間との合流にも支障をきたす。何より、獣として振る舞うのは居心地が悪い。 そしてそのユーノだが――今は所在なさげに、小さな顔を真っ赤に染めていた。 現在地、幼女の胸元。扇情的なバニースーツと、暖かな体温に挟まれている。 確かルーテシアと名乗ったか。この少女は現在の状況に、微塵も羞恥心を抱いていないようだ。 これだから、獣というのはやってられない。人間じゃないからということで、すぐにこんな風に扱われる。 自分はれっきとした男なのに。男なりに恥ずかしくてたまらないのに。 どぎまぎしつつも、しかし一切の抵抗もできないまま、ユーノは疾走するルーテシアの胸に身を預けていた。 ……いやいやちょっと待て。自分は一体何をどぎまぎしているんだ。 いかに女性とはいえ、この子はまだ幼い女の子じゃないか。 これが成熟したセクシーな女性ならまだしも、何を自分は子供相手にこんなに過剰反応しているんだ。 まさかなのはと初めて会った、ガキの頃の自分じゃあるまいし。変態嗜好のロリコンでもあるまいし。 相手は子供。慌てることはない。自分にそっち方面の趣味は絶対ない! そんな風にして、必死に平静を保とうとする。 「――ってちょっと待ったぁぁぁぁぁ!」 そして次の瞬間、それは唐突に打ち切られた。 「え?」 背後から声がする。自分達を呼び止める叫びが響く。 ユーノにとっては聞き覚えのない声。しかし、ルーテシアには覚えがあったのだろう。 反射的にマッハキャリバーにブレーキをかけると、数秒の思考の後、踵を返して再度加速する。 緩やかな速度で後退すると、そこには1人の銀髪の幼女と、1人の金髪の女性の姿があった。 「ご無事でしたか、ルーテシアお嬢様」 歩み寄ったのは銀髪の方で、発した声音も先ほどの制止と同じ。 片方しか開いていない金色の瞳に安堵の色を映し、外見の割には幾分か落ち着いた口調で言った。 「チンク」 いつも通りのぽつりと呟くような声で、ルーテシアがその名を呼ぶ。 チンク、という名前には聞き覚えがあった。ルーテシアと面識のある人間として、紹介された名前だったはずだ。 「知り合いなの?」 「まぁ、そんなところだ」 金髪の明日香の問いかけに答えたことからも、その様子が伺えた。 (……うん? ちょっと待てよ?) と、その時、不意に浮かんだ疑問が1つ。 ルーテシアの仲間は見つかった。彼女を「お嬢様」と呼ぶ隻眼の幼女が。 (で……この人は一体何?) このチンクという少女は一体何者で、一体ルーテシアとどういった関係にあるというのだ。そもそもルーテシアは何者なのだ。 普通に考えるならば、それこそ良家のお嬢様で通るだろう。 旧時代の貴族の家系。かの有名なモンディアル家のような富豪の令嬢。あるいは管理局高官の娘とも。 異様に幼いチンクの容姿も、使用人の娘だとか、乳兄弟だとかといった線で説明はつく。 そう。普通ならば。 だがこの少女の容姿の何としたこと。片目に眼帯をした少女など、真っ当な家庭ではまず見られない。 ましてや、それが医療用の白いものでなく、レザーでできたいかにも悪そうな黒眼帯なら尚更だ。 こんな見るからに怪しい娘に「お嬢様」と呼ばれる少女が、普通の良家の子供なわけがない。 更に引っ掛かるのは、例の「アジト」という言い回し。 本当なら信じてやりたい。こんな想像はしたくない。でもそう思わずにはいられない。 こうした情報から想定しうるルーテシアの身分を、不幸にもユーノは知っていた。 すなわち――マフィアの娘。 ヤクザのボスの子。 極道の世界のお嬢様。 ドコノクミノモンジャワレスマキニシテシズメタルゾコラ、とか、そういう世界の人。 背筋が一気に粟立った。全身の毛皮が逆立った。 ひょっとすると自分は、とんでもない子を見つけてしまったのではなかろうか。 まして自分が人間であるとばれ、こんな破廉恥な行いに出たと知れた時には―― 「――それでお嬢様、その動物は?」 がちがちと震え上がるユーノの思考を、チンクの問いが遮った。 「ユーノっていう……喋るイタチの子」 「……フェレットです……」 本当はフェレットですらない。人間です。それも貴方よりも大分年上なんです。 そうだと気付いてほしい。 ああいや、微妙。そうは気付いてほしくないかもしれない。少なくとも、この極道っぽい子にはバレない方がいい。 簀巻き、指詰め、ロシアンルーレット。想定されるありとあらゆる「けじめのつけ方」。 どれもこれも、できれば味わいたくない。最も、チンクは極道の人間ではないのだが。 「へぇ……こんな子まで参加させられてるのね」 ルーテシアの胸元のユーノを覗き込みながら、明日香が言った。 周囲が周囲なだけに、彼女の抜群のプロポーションはよく目立つ。 所在なさげにユーノは視線を逸らした。 どうもここに来てから、自分はこんな目にばかり遭っているような気がする。 この殺し合いから脱出できたら、しばらく女の子とは距離を取りたい。割と本気でそんなことを思っていた。 「それでお嬢様は、どちらに向かわれるおつもりで?」 「ドクターのアジトに、ゼストやチンク達を捜しに……」 「我々もそこから来たのですが、特に他には誰も……」 ユーノがどぎまぎしてたり肝を冷やしている間にも、ルーテシアとチンクは話を進めていく。 どうもこの2人もそのアジトという場所を目指し、そこで何らかの収穫があってここまで来たらしい。 それがチンクの横でふよふよと浮いている、楕円型の機械。ガジェットとか言っていたか。 それにはレーダーがついていて、レリックという、ここからの脱出のために使える物を探知できるのだそうだ。 そして今、それが反応を示している。すなわち、脱出の鍵が見える範囲にある。 「あとは聖王の器……それを捜すために、既に姉妹達にも、アジトから連絡を入れてあります。とはいえ、こちらから一方的にですが」 「ちょっと待って! そんなの聞いてないわよ」 「ああ、すまなかった。言うのが遅れていた」 隠し事をされた明日香の憤慨を、チンクがさらりと流す。どうやらこの2人、あまり友好的でもないらしい。 「いかに貴方と言えど、ガリューや地雷王なしでは危険すぎる……我々と共に病院へ向かい、姉妹の保護を受けてはもらえないでしょうか」 最後に、チンクがルーテシアへと懇願した。 これはユーノにとっては知る由もないが、チンクは彼女の存在によって、ようやく決心をつけることができたのだ。 脱出の鍵となるレリックと器を探すのが先か、共に脱出すべきクアットロとディエチと合流するのが先か。 彼女が選んだのは、後者。 強力な召喚術の使い手たるルーテシアだったが、この場ではどうやら下僕達を呼ぶことはできないらしい。 すなわち、召喚こそを戦闘の肝とする召喚士にとっては、あまりにも危険すぎる状況。 彼女はスカリエッティの大事な協力者だ。家族同様、無事に連れ帰らなければならない。 そのためにも、今レリックを持っている相手との戦闘に巻き込むことはできなかった。 だから、病院に集まるであろう姉妹にルーテシアを預ける。必然的に、朝までの集合の約束を守ることもできる。 「うん、分かった」 ゆっくりとルーテシアが首を縦に振ったことで、この場の協力関係は確定した。 ルーテシア、ユーノ、チンク、明日香。以上3名と1匹(厳密には4名)で病院を目指す。 「じゃあ、行きましょうか」 女性陣の中でも最年長と思われる明日香が、率先して先へと進む。 一方、ルーテシアの胸に抱えられたユーノはというと、何やら難しそうな表情を浮かべていた。 どうにも引っかかるのだ。ルーテシアの反応が。 (さっきの、レリックって言葉を聞いた時……この子の目の色が変わった) 今までぼんやりとしていた彼女の赤い瞳に、ほんの少しだけ感情が見えた。鋭さが増した。 そのレリックという何かに対して、彼女が強い執着を見せたのだ。 つまりそれは元々ルーテシアにとって、とても重要な意味を持つものであったのだろう。 ではそのレリックというのは、一体何なのだろうか。 ルーテシアが求めていたもの。それでいて、この殺し合いからの脱出さえも可能とするもの。 であればその力を、彼女は一体何のために使おうとしているのだろう。レリックの確保とはあくまで手段であり、目的ではないはずだ。 一体彼女は―― 「うわっ!?」 瞬間、ぐらり、と。 身体が揺れた。ユーノだけではない。ルーテシアの身体も。 すとんと足場の高度が落ち、衣服の隙間からフェレットの身体が落下する。 足並みをチンク達と合わせるべく、ルーテシアがマッハキャリバーを解除したのだろう。 結果、ローラーの分の身長が縮まり、それによって振動が生じたのだ。 それによって地面に投げ出されたユーノは、そのままチンクの足元へと落下する。 「いてて……」 小さな呻きを漏らしながら、毛皮についた土埃をふるふると払った。 そして、視線を戻す。 ちょうどその先にはチンクの身体。衣服の裾から覗くもの。 そこにあったのは、 「――ッッッ!!?」 「……そういえば、貴方……下着つけてなかったわね」 きょとんとしたチンクと動揺するユーノを見て、明日香がため息をついた。 【1日目 早朝】 【現在地 E-9】 【ユーノ・スクライア@L change the world after story】 【状態】健康、幸せ?、混乱、フェレットに変身中 【装備】なし 【道具】なし 【思考】 基本 なのはの支えになる、ジュエルシードの回収 1.ルーテシア、チンク、明日香と共に病院を目指す 2.ルーテシアの保護 3.くぁwせdrftgyふじこ!? 4.Lや仲間との合流 5.首輪の解除 【備考】 ※JS事件に関連したことは何も知りません ※プレシアの存在に少し疑問を持っています ※ルーテシアがマフィアや極道の娘だと思っています 【ルーテシア・アルピーノ@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康 【装備】バニースーツ@魔法少女リリカルなのはStrikers-砂塵の鎖― 、マッハキャリバー(待機形態)@魔法少女リリカルなのはStrikerS シェルコート@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式×2、ジュエルシード@魔法少女リリカルなのは、バリアのマテリア@魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使、夜天の書@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【思考】 基本 ナンバーⅩⅠのレリックの捜索 1.ユーノ、チンク、明日香と共に病院を目指す 2.仲間との合流 3.ジュエルシードの回収を手伝う 【備考】 ※参戦時期はゆりかご決戦前です ※ユーノが人間であることを知りません ※殺し合いに全く興味がありません 【天上院明日香@リリカル遊戯王GX】 【状態】健康 【装備】ガオーブレス@フェレットゾンダー出現! 【道具】支給品一式、ラオウの兜@ティアナが世紀末にやって来たようです、 トバルカインのトランプ@NANOSING、ゾナハカプセル@なのは×錬金 【思考】 基本 殺し合いには乗らない。仲間達と合流し、プレシアを打倒する。 1.ユーノ、ルーテシア、チンクと共に病院を目指す 2.チンクっていうこの子は……信用し切れない 3.チンクとは協力するけど、何があっても対応出来る様に隙は見せない様にしよう 4.ゾナハ……って何? 5.全くもう、この子は…… 【備考】 ※転移魔法が制限されている可能性に気付きました ※万丈目にバクラが取り憑いている事を知りません ※チンクの「万丈目に襲われた」という情報は、嘘か誤りだと思っています ※ガオーブレスのギャレオンを呼び出す機能は封印されています ※トバルカインのトランプが武器として使えることに気付いていません 【チンク@魔法少女リリカルなのはStrikerS】 【状態】健康 【装備】被験者服@魔法少女リリカルなのはStrikerS 【道具】支給品一式、ガジェットドローンⅠ型@魔法少女リリカルなのはStrikerS、工具セット@オリジナル、 料理セット@オリジナル、翠屋のシュークリーム@魔法少女リリカルなのはA s 【思考】 基本 姉妹と一緒に元の世界に帰る 1.ユーノ、ルーテシア、明日香を伴い、病院に向かって医療品を集め、姉妹との合流を図る 2.姉妹と合流した後に、レリックを持っている人間を追う 3.姉妹に危険が及ぶ存在の排除、及び聖王の器と“聖王のゆりかご”の確保 4.こいつ、獣のくせして何を驚いてるんだ? 5.クアットロと合流し、制限の確認、出来れば首輪の解除 5.Fの遺産とタイプ・ゼロの捕獲 6.天上院を手駒とする 【備考】 ※制限に気付きました ※高町なのは(A s)がクローンであると認識しました ※この会場にフェイト、八神はやてのクローンがいると認識しました ※ベルデに変身した万丈目(バクラ)を危険と認識しました 【チーム:ユーノとハーレム】 【共通思考】 基本 仲間達を集め、聖王のゆりかごで殺し合いから脱出を図る 1.病院に向かい、クアットロ、ディエチと合流する 2.その後は戦闘可能な面々でヴィヴィオとレリックを探す 【備考】 ※それぞれが違う世界から呼ばれたということに気づいていません。 Back やわらかな温もりに瞳閉じ 時系列順で読む Next 戦いの嵐、再びなん? Back やわらかな温もりに瞳閉じ 投下順で読む Next 敵か味方か? Back 遠い声、遠い出会い ユーノ・スクライア Next Reconquista(前編) Back 遠い声、遠い出会い ルーテシア・アルピーノ Next Reconquista(前編) Back されど嘘吐きは救済を望む(後編) チンク Next Reconquista(前編) Back されど嘘吐きは救済を望む(後編) 天上院明日香 Next Reconquista(前編)
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「姫矢さぁん!」 光の中に消えていくウルトラマン―姫矢准。僕はただ、彼の名を叫ぶことしか出来なかった……。 ダークメフィストこと溝呂木眞也と姫矢を包む消滅を告げる光が、異空間の暗い空を満たしていく。それはこの 一連の事件の終焉を示すものでもあり、また―……。 「ここは……何処だ?」 ウルトラマンで‘在った 者、姫矢准にとっては新たな始まりを意味していた。 鳴海の岸に流木と共に漂着していた彼の手には、デュナミストの証がしっかりと握られていた。それの僅かな鼓動と 共に、彼はこの世界で眼を覚ます。 手に入れたのは光の力。出会いと別れ。悲しみを知る彼が不屈の心を持つ少女と出会う時、新たな絆が生まれ来る。 魔法少女リリカル☆なのは~NEXUS~ 始まります 目次へ 次へ
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なのはが襲撃され、魔力を奪われ、そして甲児が管理局へと協力することを決めたその日の夜、八神家にて。 「澄んだ太刀筋だった。よい師に学んだのだろうな。武器の差がなければ、少々苦戦したかもしれん」 その日の戦闘について、シグナムとザフィーラが話している。 服を捲り上げ、そこに見えた肌には生々しい痣が。フェイトとの戦闘でついた物である。 それでもシグナムは笑顔。前話でも言ったが、まるで戦闘狂である。 「それでもシグナムさんなら負けない。そうだろう?」 予想していなかった所からの声。振り向くと、彼女らの家族の最後の一人である青年、デュークの姿があった。 彼は蒐集の事を知らないはず。それでもこう言ってきたということは……おそらくバレている。 そう思ったシグナムは捲り上げた服を戻し、そして答えた。 「……そうだな」 さて、蒐集のことがバレているとなれば、やはり話して口止めするべきだろうか? それとも、ばれているのを承知の上で黙っているか、そこが問題である。 そう考えていると、デュークの口から予想もしない言葉が飛び出した。 「でも、剣道も程々にしてくれよ。怪我をするまでやって、それではやてちゃんを心配させないでほしい」 「……は?」 シグナムらしからぬマヌケな声。それを聞いたザフィーラも首をかしげる。 剣道? 何故今ここでその話が出てくる? 蒐集の事がバレているのではないのか? 「え? シグナムさんが働いている剣道場での事を話していたんじゃないのかい?」 デュークは心底不思議そうな顔で問い返した。彼はどうやらシグナムがアルバイトで先生をやっている剣道場での出来事を話していたと思っていたらしい。 その問いでようやくその事に気付いたシグナムが、あたふたとした様子で取り繕った。 「い、いや、剣道場での事だ」 余談だが、ザフィーラはシグナムのこのリアクションでバレそうだと肝を冷やしていたらしい。 第四話『お引っ越し、そしてグレンダイザー復活』 それから数日後、時空管理局本局の一室では、リンディをはじめとしたアースラスタッフが集まっていた。 先日の襲撃の際にシャマルが持っていた本……あれは『闇の書』と呼ばれるロストロギアであり、クロノの父の死の原因となった因縁の品。 今回集まっているのは、その闇の書及びその捜査に関する説明である。 「さて、私達アースラスタッフは今回、ロストロギア『闇の書』の捜索及び、魔導師襲撃事件の捜査を担当することになりました。 ただ、肝心のアースラがしばらく使えない都合上、事件発生地の近隣に臨時作戦本部を置くことになります」 そう前置きし、ぐるりとスタッフ一同を見回す。全員が緊張の面持ちをし、次の言葉を待っているようだ。 ……もっとも、闇の書というものがいったい何なのかを理解していない甲児だけは例外だが。 リンディはそれに気付かずに次の言葉を発した。 「分轄は、観測スタッフのアレックスとランディ」 「はい!」 「ギャレットをリーダーとした、捜査スタッフ一同」 「はい!」 「司令部は、私とクロノ執務官、エイミィ執務官補佐、フェイトさん、甲児さん、以上4組に分かれて駐屯します」 ここまで言い終えたところで、数瞬の沈黙が流れる。 その沈黙を振り払ったのはまたしてもリンディ。ここまでとは違い、一気に口調を柔らかくして。 「……ちなみに司令部は、なのはさんの保護を兼ねて、なのはさんのお家のすぐ近くになりまーす♪」 それを聞いたなのはは、一瞬驚いたような顔をし、続いて同じような顔をしていたフェイトと顔を見合わせる。 その後で言葉の意味を頭の中で反芻し……「捜査の司令部」という形だとはいえ、フェイトが近所に引っ越してくるということを理解し、満面の笑みを浮かべた。 その翌日。 この日、海鳴市のとあるマンションの一室に一組の家族が引っ越してきた。表札には「ハラオウン」と書かれている。 お気付きだろうが、ここがリンディの話していた捜査司令部である。業者は気付いてはいないようだが、捜査のための機器もしっかりと引越し荷物として運び込まれているようだ。 「凄ぉい! 凄い近所だ!」 「本当?」 「うん! ほら、あそこが私ん家」 ベランダに目を向けると、なのはとフェイトが大はしゃぎしている。そこからなのはが指差した先には、なのはの実家である喫茶店『翠屋』が。 それを近くで見ているリンディはというと、何をするでもなく笑顔でそれを見ていた。 続いてリビングへと目を向けてみよう。 こちらでは現在、業者に混じって甲児とクロノが荷物を運び込んでいる。 ……もっとも、クロノは背の都合上あまり大きなものは運べないようだが。 「……ん?」 「どうかしたのか、クロノ?」 「いや、今誰かにバカにされたような気がして……」 おっと危ない、地の文に書かれた内容を無意識レベルで感じ取ったようだ。 「まあいいや。それより、これはどのへんに置いとけばいいんだ?」 「ああ、それはそこに頼むよ」 そう言われ、持っていた段ボール箱を運ぶ甲児。荷物を置いてふと目を移すと、見慣れない二匹の動物の姿があった。 片一方はオレンジ色の毛並の子犬。もう一方はフェレット(というには少々変わっているが)。 実はそれは動物形態のユーノとアルフなのだが、面識はあってもこの形態を見たことがない甲児はそれを知る由もない。 ちなみに犬の方がアルフ、フェレットの方がユーノである。 「ペットなんか飼ってたのか……」 「「ペットじゃない(よ)!!」」 「うわ、喋った!? ……って、その声……もしかしてユーノとアルフか?」 「うん。なのはやフェイトの友達の前では、こっちの姿でないと……」 何故この姿でなければならないのかという疑問が甲児の中に生まれるが、きっといろいろ事情があるのだろうと思い深くは突っ込まない。 だから甲児は一言返すだけで済ませた。 「よく分からねえけど、お前らもいろいろ大変なんだな」 「まあね……人間だって知られてなかったとはいえ、女湯に引っ張り込まれたりもしたし」 「わりぃ、前言撤回」 「えぇ!? 何でさ!」 「うっせぇ! 公然と女湯に入るなんて、なんて羨m……いやいや、ハレンチな奴だ!」 あっという間に意見がひっくり返った。 まあ、男の身でありながら、咎められずに女湯に入れるというのは甲児でなくとも羨ましいと思うだr……ゲフンゲフン。 一瞬本音が出て、それで近くにいたアルフとエイミィが白い目で見ていたのは別の話。 それから十数分後、司令部……もとい、ハラオウン家のリビングにはクロノ、甲児、エイミィの三人が集まっていた。 ちなみに他のメンバーは現在、なのはの友人が訪ねてきたのをきっかけに外出中である。 「それで、闇の書ってのは結局何なんだ?」 今の今までその詳細を聞いていなかった甲児が問う。さすがに知っておかなければまずいと思ったのだろう。 もちろんこの日まで数日という時間があったのだからその間に聞けばよかったのだろうが、時空管理局提督『ギル・グレアム』との面談や、マジンカイザーのテストなどでゴタゴタしていて結局聞けなかったらしい。 「……そうだな、知らなかったのなら、この機会に知っておいた方がいいだろう」 クロノは頷いてそう言うと、近くにあった端末を起動させる。 端末に映る映像を次々切り替え、そして目当ての映像……シャマルが小脇に抱えていた闇の書の映像を映したところで説明を始めた。 「ロストロギア『闇の書』の最大の特徴は、そのエネルギー源にある。闇の書は魔導師の魔力と、魔法資質を奪うためにリンカーコアを喰うんだ」 「なのはちゃんのリンカーコアも、その被害に……?」 「ああ、間違いない」 エイミィの問いに答えると、再び端末の映像を切り替える。 今度は闇の書の特質をイメージ映像にしたような動画が映り、それを使って説明を再開した。 「闇の書はリンカーコアを喰うと、蒐集した魔力や資質に応じてページが増えていく。そして、最終ページまで全て埋めることで闇の書は完成する」 「もし完成しちまったらどうなるんだ?」 「少なくとも、ロクな事にはならない……!」 クロノは苦虫を噛み潰したような表情で、そう締めくくった。 「はいはーい、エイミィですけどー?」 『あ、エイミィ先輩。本局メンテナンススタッフのマリーです』 その夜、ハラオウン家のリビングではエイミィとマリーが通信をしていた。 画面に映るマリーの表情からすると、何か難しい問題でも起こったのだろうか? そう考えていると、マリーがその内容を話し始めた。 『先輩から預かってるインテリジェントデバイス二機なんですけど……なんだか変なんです。 部品交換と修理は終わったんですけど、エラーコードが消えなくって……』 「エラー? 何系の?」 『ええ、必要な部品が足りないって。今データの一覧を』 そう言うと、マリーは手元の端末からエイミィの下へとデータを送る。 しかし、修理は終わったのに部品が足りないとは一体どういうことだろうか? エイミィがそう思っている間にデータが届いた。 「あ、来た来た……えっ? 足りない部品って……これ?」 『ええ。これ、何かの間違いですよね?』 エイミィやマリーがそう思うのも無理はないだろう。 何せ必要な部品は『CVK-792』……シグナムやヴィータが使い、なのは達を窮地に追いやった『ベルカ式カートリッジシステム』だったのだから。 レイジングハートもバルディッシュも何を考えているのか。そう思っているうちに、画面には「お願いします」の文字が表示されていた。 それからさらに一週間後の夜。この日、デュークはアルバイト帰りの途中だった。 何故アルバイトをしているのかだが、「世話になりっぱなしでは悪いと思うから」だそうだ。 一仕事終え、八神家へと向かうデューク。だが、その足は一度止まった。 「ん? ヴィータちゃん、こんなところで何をしているんだ?」 彼の目が捉えたのは、今は家にいるはずの家族の姿だった。 はやてもそろそろ眠っている頃のはず。それなのに一人でどこに行くつもりなのだろうか。 気になるが、一度帰ったほうがいいか? それとも見失わないうちに追うべきだろうか? 数分後、気付かれない距離からヴィータを追うデュークの姿が確認された。 場所は変わり、市内のビル屋上。 ヴィータの目的地はここだったらしく、そこにはシグナム達三人の姿もあった。 全員揃って騎士甲冑を装備。さらにシャマルにいたっては闇の書まで持っている。まるで今から蒐集に行くかのような出で立ちだ。 そしてデュークがそこに現れたのは、シグナム達が今まさに出発しようとしていた時だった。 「デューク……何故お前がここにいる?」 「ああ、帰りにヴィータちゃんを見かけたから、こんな時間にどうしたのかと思って……」 それを聞いたシャマルはジト目でヴィータを見る。その対象のヴィータもばつが悪そうだ。まさかつけられているとは思っていなかったようだ。 だがデュークはそんな様子にも構わずに、すぐさま問いを投げかけた。 「それより、四人ともこんな時間にこんな所で一体何をしていたんだ? それに、シャマルさんが持っているその本は……確か闇の書だろう?」 シグナム達にとってこの状況は非常にまずい。何せ闇の書を持ち出している上に騎士甲冑まで装備しているのだ。蒐集の事になどすぐに気付くだろう。 「まさか、はやてちゃんに黙って蒐集をしているんじゃないのか?」 どうやらたった今バレたようだ。 今からどうするかをすぐに頭の中で考える。取り繕うことも今となっては不可能。かといって正直に話したところで理解されるとも思えない。 ならばどうするか……すぐに算出し、そして何も言わずに飛び去ることが決定した。 そうと決まれば善は急げ。デュークが二の句を告げる前にすぐさま飛行魔法でその場を離れる。 ヴォルケンリッターの四人が飛び去った後、そこに残されたデュークは一人呟いた。 「どうしてなんだ? 何で蒐集なんか……」 答えが返ってくることなどはなから期待していなかった呟き。だがそれに対し、答える人物がいた。 「知りたいか?」 いきなりの声に驚き、凄い勢いで振り向くデューク。そこには見慣れぬ仮面の男がいた。 どこからどう見ても不審者だが、シグナム達が蒐集を始めた理由を知っているようなのであえて格好にはつっこまない。 「八神はやてという少女の事は知っているな? 病で足が動かないということも」 そう前置きする仮面の男。そう言われてデュークも頷く。 その答えに満足したのか、仮面の男が先を続けた。 「その足の病の原因は、闇の書による侵食だ。 彼女らヴォルケンリッターは、闇の書から生まれた魔導生命体。その存在を維持するための魔力は闇の書から供給されている…… だが、闇の書は八神はやてが主となってからは一切蒐集をしていない。ならばその魔力はどこから来ている?」 そう言われてデュークはしばらく考える。 蒐集をしていないとなると、当然魔力はカラだろう。ならば一体どこから…… ふと、先程の『侵食』という言葉を思い出し、そこからすぐに彼の脳内で答えが組みあがった。 「……まさか」 「そうだ。八神はやてのリンカーコア、そこから直接魔力を奪っている。 そのせいで八神はやての足は麻痺し、それが広がってついには命すら奪うだろう。 そうなる前に闇の書を完成させ、八神はやての命を救う……それが守護騎士達の目的だ」 明かされた事実に愕然とするデューク。だが、それならこれまでの事も辻褄が合う。 アルバイトから帰ってきた時にはやてしかいない事が多かったのも、蒐集に行っていたから。 先日のシグナムの怪我も、その時に蒐集対象とでも戦って受けたダメージだろう。 そして……はやての病の原因が分からなかったのも、闇の書の侵食によるものだからだ。本来魔法が無い世界では、魔法がらみの病が分かるはずが無い。 「くそっ! 俺は……無力だ……!」 事実を受け止めたデュークは、あまりの無力感に俯き、手を強く……爪が食い込み、血が流れる程に握り締める。 こうしてはやての病の原因が分かっても、自分にはどうすることも出来ない。 ヴォルケンリッター達のように力があれば別だっただろうが、今の自分には無い。 せめて、故郷であるフリード星から乗ってきたロボット『グレンダイザー』さえあれば…… 「無力? 本当にそうかな?」 「何だって?」 デュークが顔を上げると、仮面の男が何かを投げつけてきた。 それをキャッチし、手を開くと……デュークにとって今最も必要なものと同じ形のキーチェーンがあった。 「デューク・フリード、お前のことはすでに調べ上げている。 お前が次元漂流者だという事も、グレンダイザーというロボットに乗っていた事も、それがこの世界に来た時には無くなっていた事も…… 今渡したそれは、グレンダイザーがこの世界に来てデバイスへと変質したものだ」 そう、そのキーチェーンの形はグレンダイザー用の飛行ユニット『スペイザー』と同じ形をしていたのだ。 そのことを聞いたデュークは、はやてを救うための力が手に入ったことを喜ぶと同時に、仮面の男への不信感が芽生えていた。 何故ここまで詳しく状況を知っているのか。何故無くなったはずのグレンダイザーを持っていたのか。そして何故自分にそれを返したのか。 「一体君は何者なんだ?」 「そんな事は今はどうでもいいだろう? しいて言うならば……そうだな、闇の書の完成を望む者だ。 それと、行くのならば急いだ方がいい。あの方向には管理局の魔導師がいる。鉢合わせすれば間違いなく戦いになるだろうからな」 そう言うと、仮面の男は姿を消した。 再び後に残されたデュークは意を決し、グレンダイザーを掲げて叫んだ。 「グレンダイザー、ゴー!」 その叫びとともに、デュークの体を光が包む。そして光が晴れた所にいたデュークは、グレンダイザーの姿になっていた。 但し、デュークが知っているグレンダイザーとは違う点が一つだけ存在する。それは、背中についている翼だ。 これは本来彼がいた世界での戦いで作られる翼『ダブルスペイザー』と同じものなのだが、今の彼にはそれを知る由も無い。 そしてデュークは先程仮面の男が言った方向へと飛び去っていった。 前へ 目次へ 次へ
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高層建築の立ち並ぶ都市の一角。 夜の闇と、静かに降る雨に包まれながら一つの人影が歩いていた。 整った顔立ちだが、不思議と印象に残らない容貌の男。落ち着いた風格がある一方で 全てに興味が無い無関心さを連想させる。 男は無言で状況を確認するように周囲を見渡す。 突然男の一歩後ろ、一瞬前まで誰もいなかったはずの空間に二つの影が現れた。 否、実際にそこには誰もいない。二つの影は男にしか見えない『悪魔』だ。 「さて、僕らは何故こんなところにいるんだろうね? さっきは『魔法』なんてものも見たし、どう考えても 僕らの知る世界ではない。」 右の影―――どこか楽しげな笑顔を浮かべた半月眼鏡の青年。そんな皮を被った悪魔に もう一つの影―――彫りの深い怜悧な顔立ちに長い銀髪、ワインレッドのスーツという 眼鏡の悪魔に比べ随分派手な悪魔が似合わない訛りで応える。 「そんなん俺に分かるわけ無いやろが。そうゆうん考えるんはお前の仕事やろ、ひょうたん眼鏡」 「別に答えを期待したわけじゃない。ただ、お前なりの見解を聞きたかっただけさ。 ……そういえば『ひょうたん眼鏡』なんてあだ名をつけたのはお前だそうじゃないか、ベリアル。 別に間違ってはいないと思うが、お前のおかげで海野君にまでそんな名前で呼ばれてしまった。 どうしてくれるんだおちゃらけ蛇。 まったく、何で僕はまともなあだ名がつけられないんだ。 『指導者』はまだ良かった、地味だが的確に僕の役割を表していた。 それでも自分のライバルになり得ると目していた相手に妙なあだ名で呼ばれてしまう上に 久美子君には『ベルぱー』なんて呼ばれてしまう始末だ。 信じられるか? 『ベルぱー』だぞ、『ベルぱー』! 確かにそれは僕が指定した『ベルゼブブ・パターン』の略称だろう。 だが、その呼び方はどうなんだ、セルネットの創始者を呼ぶには些かどころではなく 迫力や風格が削がれてしまうじゃないか!!」 どうやら話が長くなる傾向があるらしい眼鏡の悪魔はひとしきり不平を言うと気を取り直し続けた。 「―――話が逸れたな。実のところ僕は僕たちがどこにいるのかという問題に対し一つの仮説がある」 「なんや? その、仮説いうんは」 「何というか……かなり馬鹿馬鹿しいんだが、『ここ』は『異世界』とか『異次元』とか言うヤツじゃないかと思って る」 「……はぁ?」 眼鏡の悪魔がいきなり突拍子も無い事を言うのには慣れていた銀髪の悪魔も、それしか反応できなかった。 眼鏡の悪魔もその反応に頷きながら説明する。 「その反応は予想できたさ。自分でも相当に馬鹿な事と思っているぐらいだからね。 だが、それ以外では僕には説明ができない。 『王国』?それはあり得ない。 我らが陛下は眠りについた筈だし、物部君の心象にこんな大都市があるわけがない。 ではカプセル以外の何らかの要因による幻覚? 肉体があるバールはともかく、僕やベリアルに影響があるなんて考えられない。 そして先ほど目にした『魔法』。どう見ても、僕らが知るオカルト的な魔術では無かったし この通りを歩いていて目に入る看板や標識の文字。少なくとも僕の知識にはあんな文字は無い。 もっとも『ここ』でそれなりの時間を過ごしていれば、いずれ分かる事だけどね。 それ以上に気になるのは『それ』だ」 眼鏡の悪魔が指を向けたのは、それまで二人の悪魔の会話に反応すらしなかった前を行く男のポケット。 正確には、その中に有るものだ。 「陛下が眠りについた物以外は一つ残らず消えたはずの『カプセル』が、何故そこにあるんだろうね。 僕にも説明がつかない。 それで、どうするんだいバール 地獄の底で待っていろなんて言っていたけど、こんな所にいるんじゃね」 それに、初めて男―――バールが反応した。 「是非もない。知らない場所だからと迷う必要は無いだろう。 葛根市では退くことになったが、『ここ』で二度目を行なえばいい」 「……聴いたか、ベリアル。このミスター・ハードボイルドは こんなわけの分からないところで続けるつもりのようだ。本当にマスターオブオカルトの名は彼に譲るしかないな」 「いやそれはいらんちゃうんかなぁ、少なくとも俺はいらん。 ま、ええんちゃう? 陛下がおらんで何ができるかわからんけどな」 見知らぬ場所に突然迷い込んだというのに全く意に介さない男の言葉に 二人の悪魔は呆れたように嘆息しながらも反対する様子は無く、むしろ楽しそうにおどけた敬礼を返した。 そして男は、ゆっくりとその姿をかき消していく悪魔たちと声を揃える。 「「「エロイムエッサイム」」」 リリカル・クラッカーズ 『ミッドチルダにカプセルが蔓延し始めたようです』 「本当にすいませんフェイトさん、わざわざ送らせてしまって。なのはさんは元気でしたか?」 黒いスポーツカーの助手席に座るティアナは運転しているフェイトに頭を下げた。 「うん、相変わらず元気だったよ。……完全に親バカの顔でヴィヴィオの写真 大量に見せられて少し困ったけど。スバルはどうだった?」 多忙な執務官の少ない休暇を利用して二人は、それぞれの親友を訪ねていたのだ。 「スバルも変わらないですよ、ギンガさんも。 ただ、ゲンヤさんが最近かなり忙しくて自分たちも休みを取りづらいって言ってましたけど」 「レジアス中将の穴を埋めるのに苦労してるんだね……」 そう、現在管理局は『陸』と呼ばれる地上本部、『海』と呼ばれる本局の双方が混乱した状態にあった。 JS事件で殺害されたレジアス・ゲイズ中将―――長年地上本部で辣腕を振るった英雄を失ったことが原因である。 JS事件直後こそジェイル・スカリエッティとの繋がりや、違法行為スレスレの手段をとってきた事で批判が集中していたが 調査が進むにつれ中将にそういった手段をとらせてしまった地上本部の窮状が表沙汰になる。 少ない予算、貧弱な装備、本局に引き抜かれていく人材。 そういった状況を作り出す事になった本局に対する批判が湧き上がった。 さらに、強烈なリーダーシップをとる―――悪く言ってしまえばワンマンだった中将の指示が無くなった事で業務が停滞。 それを解決するために『一時的に』本局が『支援』する動きが持ち上がるが、逆にそれまでの本局の地上本部への所業を知る『陸』の局員 特に経験豊かな中堅世代が一斉に辞職。混乱を助長することになってしまう。 『海』でも、かつての『陸』の局員だった者が『陸』に大量に復帰しようとした事から事態は管理局全体に広がった。 そのため管理局は組織を再編、『陸』と『海』の関係の改善を図る。 その一環として『陸』に残った数少ないベテランの一人であるゲンヤ・ナカジマ三佐は、『海』との繋がりを持つことから 現場を指揮する立場から『陸』の上層部へ本人も望まない形での抜擢をされる事となった。 「ギンガさんが言ってたんですけど、最近ミッドでも犯罪が増えてるんですって。 本局の方も色々問題出てきてますし、早く何とかしないといけませんね……」 機動六課の一人としてJS事件には深く関係したティアナは、少し複雑な気分のようだ。 沈んだ様子のティアナを励ます意味を込めてからかい混じりにフェイトは返答するが 「そのためには私たちも頑張らないと。ティアにも早く一人前になってもらわなきゃね。 ――――――ッ!?」 自動車の進路上に、身を投げ出すように倒れこむ人影が目に入り慌ててブレーキを踏み込んだ。 周囲にゴムの擦れる独特の音を撒き散らし、スポーツカーは倒れる人影の直前で止まる。 車内の二人は、ドアから飛び出し人影に駆け寄った。 倒れていたのは中性的な顔立ちをした少年だ。華奢で小柄な体を丈の長いブルーのウィンドブレーカーで包んでいる。 「……あ、ず…ちゃ……」 意識の無い少年は、うわ言で何事かを呟いた。 フェイトが少年の体を起こすと、少年の首に下がったクロスのペンダント―――ちょっとした仕掛けで中にちいさな収納スペ-スがある物だ―――から小さな何かが零れ落ちた。 ティアナが拾い上げたそれは、 「カプセル剤?」 赤と白。二色に塗られたどこにでもあるカプセル錠だった。 「『カプセル』……ねぇ」 複数の陸士部隊から提出された麻薬事件の報告書。それらに添付された新手のドラッグの画像を眺め、ゲンヤ・ナカジマ『一佐』は唸った。 どうにも妙な事件だ。 最近の管理局内部の混乱で捜査の手が足らなくなり犯罪が増える以前から ドラッグに関係した案件も少なくは無かったが、こんなクスリが流行ったことは無かった。 幾人か売人を締め上げたが、どいつも組織的な背景の無い雑魚ばかりで どこから仕入れたかという話になると急に要領を得なくなる。 肝心の『カプセル』についても、押収したものを調べさせたが何かの化学物質かもしれない、と何も分からないと同義の結果だ。 『カプセル』のドラッグとしての効用も他のクスリと比べて、目新しいものではない。 そのくせ馬鹿な若い連中がやたらとハマっているそうだ。 そして、『カプセル』には奇妙な噂があるという。曰く「願いが叶う」と。 陸士部隊の指揮統括を行なう立場になった身としては一つの事件にばかり掛かりきりではいけない。 数は多いが事件としての規模も大したものではない。だが、ゲンヤは妙にそのドラッグのことが気になった。 「……やれやれ」 懇意にしている陸士部隊の隊長―――自分と同じ今では数少ないベテランだ―――に連絡する。 『カプセル』に関して優先的に捜査するようにという指示だ。このぐらいの勝手ならば問題は無いだろう。 ゲンヤは『カプセル』の報告書を処理済の書類の山の一番上に載せ、未処理の書類の山脈へ目を向ける。 「今日も泊まりかね。レジアス中将、あんたすげえよ」 今の自分を遥かに超えるであろう仕事を長年こなし続けた、あまり好きにはなれなかったかつての上司への偽らざる賞賛だった。 『廃棄都市区画』の片隅で鋲のついた皮のジャケットを着た精悍な青年が一人ごちる。 「何だって俺はいきなりこんなトコにいるんだ? ま、なかなか面白そうだがな。 っかし、『魔法』、『魔法』ねぇ」 青年―――葛根市のアンダーグラウンドで最強と謳われた男は、歯を剥き出しにした獰猛な笑みを浮かべる。 「そんなモンが本当に存在するとはな。お前が見たら何て言うのかね? なぁ、『ウィザード』」 目次へ
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【フェイト・T・ハラオウン(StS)@仮面ライダーカブト】4 No. タイトル 作者 登場人物 時間 025 君想フ声 ◆9L.gxDzakI フェイト・T・ハラオウン(StS) 1日目深夜 038 夢・オ・チでリセット! ◆RsQVcxRr96 フェイト・T・ハラオウン(StS)、柊つかさ、遊城十代 1日目黎明 058 やわらかな温もりに瞳閉じ ◆C1.qFoQXNw フェイト・T・ハラオウン(StS)、柊つかさ 1日目早朝 076 絶望の罪人~夜天の主~絶望の罪人~フタリボッチノセカイ~絶望の罪人~双翼~絶望の罪人~大災害、そして終わらない宴~ ◆jiPkKgmerY アーカード、セフィロス、八神はやて(A s)、アレクサンド・アンデルセン、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、アンジール・ヒューレー、キース・レッド、フェイト・T・ハラオウン(StS) 1日目朝 【矢車想@仮面ライダーカブト】2 No. タイトル 作者 登場人物 時間 008 駆け抜ける不協和音 ◆gFOqjEuBs6 浅倉威、矢車想、ヴィヴィオ、エネル 1日目深夜 046 残酷な神々のテーゼ(前編)残酷な神々のテーゼ(後編) ◆RsQVcxRr96 相川始、矢車想、エネル、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、ギンガ・ナカジマ、キャロ・ル・ルシエ 1日目早朝 【天道総司@魔法少女リリカルなのは マスカレード】21 No. タイトル 作者 登場人物 時間 028 誰がために彼の者は行く ◆RsQVcxRr96 天道総司、相川始、シャーリー・フェネット 1日目深夜 036 シャーリーと爆砕牙 ◆Qpd0JbP8YI 天道総司、シャーリー・フェネット 1日目黎明 052 勇気のアイテム(前編)勇気のアイテム(後編) ◆gFOqjEuBs6 天道総司、シャーリー・フェネット、浅倉威、ヴィヴィオ、キャロ・ル・ルシエ 1日目早朝 066 パンドラの箱は王の手に ◆jiPkKgmerY 八神はやて(StS)、キング、ヒビノ・ミライ、ヴィータ、天道総司、キャロ・ル・ルシエ 1日目早朝 082 Deathscythe ◆9L.gxDzakI キング、天道総司、キャロ・ル・ルシエ 1日目朝 088 仮面ライダーらしく ◆Qpd0JbP8YI キング、天道総司、浅倉威、ヴィヴィオ、シャーリー・フェネット 1日目朝 104 暇をもてあました神々の遊び ◆9L.gxDzakI エネル、天道総司、キング 1日目午前 117 Alive a life ~タイムリミット(前編)Alive a life ~タイムリミット(後編)Alive a life ~死闘(前編)Alive a life ~死闘(後編)Alive a life ~ゲームは止まらない ◆gFOqjEuBs6 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、C.C.、天道総司、キング、ゼスト・グランガイツ、万丈目準、ヒビノ・ミライ 1日目昼 143 キングの狂宴/狙われた天道(前編)キングの狂宴/狙われた天道(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、C.C.、天道総司、キング、ゼスト・グランガイツ 1日目日中 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード、柊つかさ、万丈目準、浅倉威、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 157 D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVED.C. ~ダ・カーポ~ 戦いは終わるD.C. ~ダ・カーポ~ 予兆 ◆HlLdWe.oBM 浅倉威、柊かがみ、相川始、キング、金居、ヴィータ、キース・レッド、アレックス、L、高町なのは(StS)、天道総司、ヴィヴィオ、エネル、新庄・運切、アーカード、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 168 Aの残光/強襲ソルジャーAの残光/夢と誇りをとりもどせ ◆gFOqjEuBs6 アンジール・ヒューレー、クアットロ、高町なのは(StS)、天道総司、ヒビノ・ミライ 1日目夜 173 絶望の暗雲 ◆HlLdWe.oBM アンジール・ヒューレー、クアットロ、高町なのは(StS)、天道総司、ヒビノ・ミライ、キング 1日目夜中 178 Mの姿/鏡Mの姿/マイナスからのリスタート ◆gFOqjEuBs6 アンジール・ヒューレー、キング、高町なのは(StS)、天道総司、柊かがみ 1日目真夜中 183 救済N/EGO~eyes glazing over救済N/Destiny s Play ◆7pf62HiyTE 高町なのは(StS)、柊かがみ、天道総司 2日目深夜 184 罪罪(状態票) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、柊かがみ 2日目深夜 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目黎明 187 解ける謎!!(前編)解ける謎!!(後編) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、キング、金居、アンジール・ヒューレー 2日目黎明 194 Masquerade ◆gFOqjEuBs6 天道総司、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目早朝 195 Revolution ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ 2日目早朝 197 Round ZERO~AMBITION SECRET(前編)Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、スバル・ナカジマ、天道総司、キング、金居、ウーノ、ドゥーエ、オットー 2日目早朝 【相川始@魔法少女リリカルなのは マスカレード】18 No. タイトル 作者 登場人物 時間 028 誰がために彼の者は行く ◆RsQVcxRr96 天道総司、相川始、シャーリー・フェネット 1日目深夜 031 最初からクライマックスなのか!? ◆WslPJpzlnU 相川始 1日目深夜 046 残酷な神々のテーゼ(前編)残酷な神々のテーゼ(後編) ◆RsQVcxRr96 相川始、矢車想、エネル、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、ギンガ・ナカジマ、キャロ・ル・ルシエ 1日目早朝 071 タイムラグは30分(前編)タイムラグは30分(後編) ◆gFOqjEuBs6 エネル、相川始 1日目朝 073 誇りの剣 ◆9L.gxDzakI インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、ギンガ・ナカジマ、相川始 1日目朝 083 Don t lose yourself(前編)Don t lose yourself(後編) ◆gFOqjEuBs6 相川始、ギンガ・ナカジマ、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、金居、武蔵坊弁慶 1日目午前 115 Round ZERO ~ JOKER DISTRESSED(前編)Round ZERO ~ JOKER DISTRESSED(後編) ◆HlLdWe.oBM 相川始、金居、武蔵坊弁慶、ギンガ・ナカジマ、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、アーカード、アンジール・ヒューレー 1日目昼 120 The people with no name ◆7pf62HiyTE 相川始 1日目昼 124 狼煙 ◆9L.gxDzakI 相川始、浅倉威 1日目日中 135 [5RIDERS]希望 ◆7pf62HiyTE 浅倉威、柊かがみ、相川始、スバル・ナカジマ 1日目午後 147 ライダー大戦2010(前編)ライダー大戦2010(中編)ライダー大戦2010(後編) ◆gFOqjEuBs6 相川始、浅倉威、柊かがみ 1日目午後 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード、柊つかさ、万丈目準、浅倉威、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 157 D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVED.C. ~ダ・カーポ~ 戦いは終わるD.C. ~ダ・カーポ~ 予兆 ◆HlLdWe.oBM 浅倉威、柊かがみ、相川始、キング、金居、ヴィータ、キース・レッド、アレックス、L、高町なのは(StS)、天道総司、ヴィヴィオ、エネル、新庄・運切、アーカード、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 160 余波 ◆WwbWwZAI1c 相川始 1日目夕方 169 突っ走る女 ◆HlLdWe.oBM 相川始、柊かがみ、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、泉こなた 1日目夜 170 きみのたたかいのうた(前編)きみのたたかいのうた(後編) ◆Vj6e1anjAc ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、相川始、柊かがみ、ヴィヴィオ 1日目夜中 174 H激戦区/人の想いとはH激戦区/ハートのライダー誕生、Hカイザー/NEXT BATTLE誕生、Hカイザー/神と聖王 ◆gFOqjEuBs6 ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、相川始、柊かがみ、ヴィヴィオ、八神はやて(StS)、金居、エネル 1日目夜中 176 散る―――(前編)散る―――(中編)散る―――(後編) ◆Vj6e1anjAc スバル・ナカジマ、相川始、ヴィヴィオ、金居、エネル 1日目真夜中 【キング@魔法少女リリカルなのは マスカレード】21 No. タイトル 作者 登場人物 時間 018 家族(前編)家族(後編) ◆gFOqjEuBs6 ヴィータ、キング、ギルモン、八神はやて(StS) 1日目深夜 032 仮面の告白 ◆Qpd0JbP8YI 八神はやて(StS)、キング、ヴィータ 1日目深夜 066 パンドラの箱は王の手に ◆jiPkKgmerY 八神はやて(StS)、キング、ヒビノ・ミライ、ヴィータ、天道総司、キャロ・ル・ルシエ 1日目早朝 082 Deathscythe ◆9L.gxDzakI キング、天道総司、キャロ・ル・ルシエ 1日目朝 088 仮面ライダーらしく ◆Qpd0JbP8YI キング、天道総司、浅倉威、ヴィヴィオ、シャーリー・フェネット 1日目朝 104 暇をもてあました神々の遊び ◆9L.gxDzakI エネル、天道総司、キング 1日目午前 117 Alive a life ~タイムリミット(前編)Alive a life ~タイムリミット(後編)Alive a life ~死闘(前編)Alive a life ~死闘(後編)Alive a life ~ゲームは止まらない ◆gFOqjEuBs6 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、C.C.、天道総司、キング、ゼスト・グランガイツ、万丈目準、ヒビノ・ミライ 1日目昼 143 キングの狂宴/狙われた天道(前編)キングの狂宴/狙われた天道(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、C.C.、天道総司、キング、ゼスト・グランガイツ 1日目日中 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード、柊つかさ、万丈目準、浅倉威、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 157 D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVED.C. ~ダ・カーポ~ 戦いは終わるD.C. ~ダ・カーポ~ 予兆 ◆HlLdWe.oBM 浅倉威、柊かがみ、相川始、キング、金居、ヴィータ、キース・レッド、アレックス、L、高町なのは(StS)、天道総司、ヴィヴィオ、エネル、新庄・運切、アーカード、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 158 Kな魔王/ダークナイトKな魔王/ミライノヒカリ ◆gFOqjEuBs6 キング、ゼスト・グランガイツ、ヒビノ・ミライ 1日目夕方 173 絶望の暗雲 ◆HlLdWe.oBM アンジール・ヒューレー、クアットロ、高町なのは(StS)、天道総司、ヒビノ・ミライ、キング 1日目夜中 178 Mの姿/鏡Mの姿/マイナスからのリスタート ◆gFOqjEuBs6 アンジール・ヒューレー、キング、高町なのは(StS)、天道総司、柊かがみ 1日目真夜中 182 闇よりの使者 ◆LuuKRM2PEg アンジール・ヒューレー、キング 2日目深夜 185 Round ZERO ~MOONLIT BEETLES ◆7pf62HiyTE 金居、キング、アンジール・ヒューレー 2日目深夜 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目黎明 187 解ける謎!!(前編)解ける謎!!(後編) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、キング、金居、アンジール・ヒューレー 2日目黎明 194 Masquerade ◆gFOqjEuBs6 天道総司、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目早朝 196 Uを目指して/世界が終わる前に ◆gFOqjEuBs6 金居、キング 2日目早朝 197 Round ZERO~AMBITION SECRET(前編)Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、スバル・ナカジマ、天道総司、キング、金居、ウーノ、ドゥーエ、オットー 2日目早朝 198 魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 ◆19OIuwPQTE 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居 2日目朝 【金居@魔法少女リリカルなのは マスカレード】25 No. タイトル 作者 登場人物 時間 026 残る命、散った命(前編)残る命、散った命(中編)残る命、散った命(後編) ◆gFOqjEuBs6 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、柊かがみ 1日目深夜 060 敵か味方か? ◆RsQVcxRr96 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、武蔵坊弁慶 1日目黎明 063 不屈の心、無双の龍 ◆9L.gxDzakI 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、武蔵坊弁慶 1日目早朝 074 Round ZERO ~ SAWS CUNNING(前編)Round ZERO ~ SAWS CUNNING(後編) ◆RsQVcxRr96 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、武蔵坊弁慶 1日目朝 083 Don t lose yourself(前編)Don t lose yourself(後編) ◆gFOqjEuBs6 相川始、ギンガ・ナカジマ、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、金居、武蔵坊弁慶 1日目午前 115 Round ZERO ~ JOKER DISTRESSED(前編)Round ZERO ~ JOKER DISTRESSED(後編) ◆HlLdWe.oBM 相川始、金居、武蔵坊弁慶、ギンガ・ナカジマ、インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング、アーカード、アンジール・ヒューレー 1日目昼 132 MISSING KING ◆7pf62HiyTE 金居 1日目日中 138 Change the world ~変わる世界~ ◆vXe1ViVgVI アレックス、L、金居、アーカード 1日目日中 146 バトルはやてはやての決意 ◆gFOqjEuBs6 八神はやて(StS)、ヴィータ、金居、アーカード、セフィロス 1日目午後 148 光なき場所で ――月蝕・終章一節最後の鐘が鳴り止むまで ――月蝕・終章二節君の名を叫んでいた ――月蝕・終章終節楽斗 ――そして終わりなき斗いの歌 ◆Vj6e1anjAc 八神はやて(StS)、ヴィータ、金居、アーカード、セフィロス、リニス 1日目夕方 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード、柊つかさ、万丈目準、浅倉威、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 157 D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVED.C. ~ダ・カーポ~ 戦いは終わるD.C. ~ダ・カーポ~ 予兆 ◆HlLdWe.oBM 浅倉威、柊かがみ、相川始、キング、金居、ヴィータ、キース・レッド、アレックス、L、高町なのは(StS)、天道総司、ヴィヴィオ、エネル、新庄・運切、アーカード、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 165 Round ZERO ~KING SILENT ◆HlLdWe.oBM ヴィータ、アーカード、八神はやて(StS)、金居、アレックス、プレシア・テスタロッサ、リニス 1日目夜 166 燃える紅BRAVE PHOENIXわがまま ◆Vj6e1anjAc ヴィータ、アーカード、八神はやて(StS)、金居 1日目夜 171 Round ZERO ~GOD FURIOUS ◆gFOqjEuBs6 八神はやて(StS)、金居、エネル 1日目夜中 174 H激戦区/人の想いとはH激戦区/ハートのライダー誕生、Hカイザー/NEXT BATTLE誕生、Hカイザー/神と聖王 ◆gFOqjEuBs6 ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、相川始、柊かがみ、ヴィヴィオ、八神はやて(StS)、金居、エネル 1日目夜中 176 散る―――(前編)散る―――(中編)散る―――(後編) ◆Vj6e1anjAc スバル・ナカジマ、相川始、ヴィヴィオ、金居、エネル 1日目真夜中 180 Ooze Garden(軟泥の庭) ◆WwbWwZAI1c 金居、プレシア・テスタロッサ 1日目真夜中 185 Round ZERO ~MOONLIT BEETLES ◆7pf62HiyTE 金居、キング、アンジール・ヒューレー 2日目深夜 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目黎明 187 解ける謎!!(前編)解ける謎!!(後編) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、キング、金居、アンジール・ヒューレー 2日目黎明 194 Masquerade ◆gFOqjEuBs6 天道総司、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目早朝 196 Uを目指して/世界が終わる前に ◆gFOqjEuBs6 金居、キング 2日目早朝 197 Round ZERO~AMBITION SECRET(前編)Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、スバル・ナカジマ、天道総司、キング、金居、ウーノ、ドゥーエ、オットー 2日目早朝 198 魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者魔法少女リリカルなのはBR Stage03 紡がれる絆魔法少女リリカルなのはBR Stage04 虹の星剣 ◆19OIuwPQTE 高町なのは(StS)、ユーノ・スクライア、ヴィヴィオ、キング、金居 2日目朝 【泉こなた@なの☆すた】18 No. タイトル 作者 登場人物 時間 004 オタクと吸血鬼とレバ剣と ◆UOleKa/vQo アーカード、泉こなた、スバル・ナカジマ 1日目深夜 043 切なくていとおしいほど、想いは時空を越えて ◆9L.gxDzakI ルルーシュ・ランペルージ、ディエチ、泉こなた、スバル・ナカジマ 1日目黎明 053 Shooting Bullet(前編)Shooting Bullet(後編) ◆9L.gxDzakI ルルーシュ・ランペルージ、ディエチ、泉こなた、スバル・ナカジマ、ミリオンズ・ナイブズ 1日目早朝 057 Subaru s Adventures in Parallel world ◆7pf62HiyTE ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、泉こなた、早乙女レイ 1日目早朝 070 誰かのために生きて、この一瞬が全てでいいでしょう(前編)誰かのために生きて、この一瞬が全てでいいでしょう(後編) ◆9L.gxDzakI ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、泉こなた、早乙女レイ 1日目朝 093 王の財宝 ~天地鳴動の力~王の財宝 ~カテゴリーK~王の財宝 ~祝福の風~ ◆7pf62HiyTE ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、泉こなた、早乙女レイ 1日目朝 109 守りたいもの守れないひと ◆9L.gxDzakI ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、泉こなた、早乙女レイ、シャーリー・フェネット、ヴィヴィオ 1日目昼 125 らっきーえむぶれむ星戦の系譜99% ◆7pf62HiyTE 泉こなた、早乙女レイ 1日目日中 128 いきなりは変われない(前編)いきなりは変われない(後編) ◆HlLdWe.oBM ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、チンク、泉こなた、早乙女レイ、柊かがみ 1日目日中 129 Nightmare of Shirley(前編)Nightmare of Shirley(前編) ◆7pf62HiyTE シャーリー・フェネット、早乙女レイ、泉こなた、ヴィヴィオ、ルルーシュ・ランペルージ 1日目日中 140 崩落 の ステージ(前編)崩落 の ステージ(後編) ◆HlLdWe.oBM シャーリー・フェネット、早乙女レイ、ヴィヴィオ、ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、泉こなた、ルーテシア・アルピーノ 1日目午後 144 Blue Swear―――蒼い誓いWärter―――灯台守 ◆7pf62HiyTE スバル・ナカジマ、泉こなた 1日目夕方 154 ひとつ分の陽だまりに ふたつはちょっと入れない一人分の陽だまりに 僕らは居る ◆vXe1ViVgVI アンジール・ヒューレー、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、泉こなた 1日目夕方 169 突っ走る女 ◆HlLdWe.oBM 相川始、柊かがみ、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、泉こなた 1日目夜 172 Iの奇妙な冒険/祝福の風Iの奇妙な冒険/すたーだすとくるせいだーす ◆7pf62HiyTE 泉こなた 1日目夜中 179 こなたとリインと男の娘 ◆LuuKRM2PEg ユーノ・スクライア、泉こなた 1日目真夜中 184 罪罪(状態票) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、柊かがみ 2日目深夜 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目黎明 【柊かがみ@なの☆すた】29 No. タイトル 作者 登場人物 時間 009 Heart of Iron ◆WMc1TGFkQk エリオ・モンディアル、シェルビー・M・ペンウッド、柊かがみ 1日目深夜 026 残る命、散った命(前編)残る命、散った命(中編)残る命、散った命(後編) ◆gFOqjEuBs6 高町なのは(StS)、シェルビー・M・ペンウッド、金居、柊かがみ 1日目深夜 042 Little Wish(前編)Little Wish(後編) ◆Qpd0JbP8YI 八神はやて(A s)、セフィロス、シグナム、アレックス、柊かがみ 1日目黎明 049 光が紡ぐ物語 ◆jiPkKgmerY L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ 1日目早朝 081 Amazing Grace(The Chains are Gone)(前編)Amazing Grace(The Chains are Gone)(後編) ◆Qpd0JbP8YI L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ 1日目朝 091 変わる運命(前編)変わる運命(後編) ◆HlLdWe.oBM L、ザフィーラ、アレックス、柊かがみ、万丈目準 1日目午前 098 渇いた叫び(前編)渇いた叫び(後編) ◆7pf62HiyTE 柊かがみ、万丈目準 1日目午前 101 メビウスの輪から抜け出せなくて(前編)メビウスの輪から抜け出せなくて(後編) ◆gFOqjEuBs6 柊かがみ、ヒビノ・ミライ 1日目午前 107 烈火(Side K)烈火(Side V) ◆7pf62HiyTE 柊かがみ、ヴィータ 1日目昼 118 かがみとバクラが堂々とホテルで休憩するそうです ◆gFOqjEuBs6 柊かがみ 1日目昼 128 いきなりは変われない(前編)いきなりは変われない(後編) ◆HlLdWe.oBM ルルーシュ・ランペルージ、スバル・ナカジマ、チンク、泉こなた、早乙女レイ、柊かがみ 1日目日中 130 想いだけでも/力だけでも ◆9L.gxDzakI スバル・ナカジマ、柊かがみ 1日目日中 130 Barrier Jacket & Guns ◆HlLdWe.oBM 柊かがみ 1日目日中 135 [5RIDERS]希望 ◆7pf62HiyTE 浅倉威、柊かがみ、相川始、スバル・ナカジマ 1日目午後 147 ライダー大戦2010(前編)ライダー大戦2010(中編)ライダー大戦2010(後編) ◆gFOqjEuBs6 相川始、浅倉威、柊かがみ 1日目午後 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード、柊つかさ、万丈目準、浅倉威、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 157 D.C. ~ダ・カーポ~ SURVIVED.C. ~ダ・カーポ~ 戦いは終わるD.C. ~ダ・カーポ~ 予兆 ◆HlLdWe.oBM 浅倉威、柊かがみ、相川始、キング、金居、ヴィータ、キース・レッド、アレックス、L、高町なのは(StS)、天道総司、ヴィヴィオ、エネル、新庄・運切、アーカード、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方 162 波紋 - a divine messenger of the two. ◆WwbWwZAI1c ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ 1日目夕方 169 突っ走る女 ◆HlLdWe.oBM 相川始、柊かがみ、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、泉こなた 1日目夜 170 きみのたたかいのうた(前編)きみのたたかいのうた(後編) ◆Vj6e1anjAc ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、相川始、柊かがみ、ヴィヴィオ 1日目夜中 174 H激戦区/人の想いとはH激戦区/ハートのライダー誕生、Hカイザー/NEXT BATTLE誕生、Hカイザー/神と聖王 ◆gFOqjEuBs6 ヴァッシュ・ザ・スタンピード、スバル・ナカジマ、相川始、柊かがみ、ヴィヴィオ、八神はやて(StS)、金居、エネル 1日目夜中 175 Yな戦慄/烈火剣精は見た!Yな戦慄/八神家の娘 ◆7pf62HiyTE ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、八神はやて(StS) 1日目真夜中 178 Mの姿/鏡Mの姿/マイナスからのリスタート ◆gFOqjEuBs6 アンジール・ヒューレー、キング、高町なのは(StS)、天道総司、柊かがみ 1日目真夜中 183 救済N/EGO~eyes glazing over救済N/Destiny s Play ◆7pf62HiyTE 高町なのは(StS)、柊かがみ、天道総司 2日目深夜 184 罪罪(状態票) ◆LuuKRM2PEg 天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、ユーノ・スクライア、高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、柊かがみ 2日目深夜 186 Pain to Pain(前編)Pain to Pain(後編) ◆HlLdWe.oBM 高町なのは(StS)、八神はやて(StS)、ユーノ・スクライア、天道総司、ヴァッシュ・ザ・スタンピード、柊かがみ、スバル・ナカジマ、ヴィヴィオ、泉こなた、アンジール・ヒューレー、キング、金居 2日目黎明 189 戻らないD/スバル・ナカジマ戻らないD/柊かがみ ◆gFOqjEuBs6 スバル・ナカジマ、柊かがみ 2日目早朝 192 ……起きないから奇跡って言うんですよ ◆HlLdWe.oBM 八神はやて(StS)、柊かがみ 2日目早朝 193 Zに繋がる物語/白銀の堕天使Zに繋がる物語/サティスファクション ◆7pf62HiyTE スバル・ナカジマ、柊かがみ、八神はやて(StS) 2日目早朝 【柊つかさ@なの☆すた】11 No. タイトル 作者 登場人物 時間 021 柊つかさは殺し合いの夢を見るか? ◆Qpd0JbP8YI 遊城十代、柊つかさ 1日目深夜 038 夢・オ・チでリセット! ◆RsQVcxRr96 フェイト・T・ハラオウン(StS)、柊つかさ、遊城十代 1日目黎明 058 やわらかな温もりに瞳閉じ ◆C1.qFoQXNw フェイト・T・ハラオウン(StS)、柊つかさ 1日目早朝 077 牙を持つカード ◆9L.gxDzakI 柊つかさ 1日目朝 084 そんな運命 ◆7pf62HiyTE 柊つかさ、フェイト・T・ハラオウン(A s) 1日目朝 089 バイバイサイカイ ◆Qz0BXaGMDg 遊城十代、シャマル、クアットロ、柊つかさ、八神はやて(StS) 1日目朝 092 Paradise Lost(前編)Paradise Lost(後編) ◆9L.gxDzakI 柊つかさ、遊城十代、フェイト・T・ハラオウン(A s) 1日目昼 108 Teardrop ◆HlLdWe.oBM 柊つかさ、遊城十代 1日目昼 149 お昼ごはんの時間だよ ◆wsuikZ7zFc アンジール・ヒューレー、柊つかさ 1日目日中 150 Tの悲劇/書き換えられた記憶 ◆gFOqjEuBs6 柊つかさ 1日目夕方 153 13人の超新星(1)13人の超新星(2)13人の超新星(3)13人の超新星(4)13人の超新星(5)13人の超新星(6)13人の超新星(7) ◆WslPJpzlnU 柊かがみ、新庄・運切、エネル、キース・レッド、アレックス、相川始、金居、ヴィータ、キング、ヴィヴィオ、高町なのは(StS)、天道総司、アーカード、柊つかさ、万丈目準、浅倉威、プレシア・テスタロッサ、リニス、『フェイト』 1日目夕方
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「ケロ……あのー我輩のこと見えているでありますか?」 場をごまかすかのように作り笑いを浮かべ、ケロロが男性に尋ねると男性は「ああ。」と首を縦に動かす。 やべー。現地生命体に見つかっちゃったー。 顔から汗が吹き出し、精神が張り詰めてくる。 どうやってこの現地生命体から姿を消すか……。アンチバリアの存在をど忘れし、脱出の名案を出そうと考察し始めた。 が……よく、辺りを見回すと研究室と思わしき広い空間。 その空間の壁に立つ柱。 そして、生命体が手元の寝台で寝かせている誰かの身体を見てケロロは思考が停止した。 誰かは裸で……胸が膨らんでいていて身体も幼かった。そのことから女性だと認識する。 が、問題はそこではなかった。 女性の身体の一部がメスで開かれて機械が剥き出しているのだった。 「……どうした?」 カエルと思える物体が固まっているのを察し、男性は妖しく眼を細めて尋ねる。 しゃべるということは、このカエルは誰かの使い魔か……。 と考察し、男性は始末してしまおうと判断した時。 「わー、すっげー!改造人間じゃんカッコイイー!」 「へ?」 第1話「ケロロ、めぐりあい研究施設。であります!」 新しく現れたテレビのヒーローを見ているかのような興奮した声に男性は邪念が霧散してしまう。 意外な言葉をもらい、反復しながら眼の前のカエルを見遣る。 カッコイイ? 確かに自分の中の最高の技術で生み出したこの戦闘機人に愛を注いでいるが、他人からそう言われたことなど今までになかった。 その為、男性は嬉しさで気分が高揚していたことを自覚した。 褒められて……うれしいのか。私は……。 「カッコ……イイかい?」 「左舷、何をバカなこと言ってんの!? こんな『出たなショッカー!』みたいなのとか『キカイダー!!』みたいなヒーロー、ヒロインほど男の心を擽るものはないであります。これは造ったのでありますか?」 「ああ、戦闘機人と言ってね。この娘だけじゃなく。あっちのカプセルに入った娘もね。」 柱のように立ち並ぶカプセルの中を男性が促して示すとカエルはらんらんと輝きを放って中に浸かっている少女達を見回して叫ぶ。 「ゲロー!なんじゃありゃぁ……あれ全員ショッカーライダーに変身するんでありますか!?」 カプセルにはそれぞれ数字がNo.5から順番にプレートに刻まれており、ケロロにはそれがまるでライダーシリーズに思えてしまう。 「いや、変身はしないけど。あらゆる状況での闘いを想定して調整している。」 「やべぇよ。アンタ……男の中の男であります!」 きっぱりと崇高の眼差しできっぱりと答えるカエル。 そんな彼に男性は興味が湧きはじめていた。 このカエルは……認められなかった自分の技術を褒めた。自分を認めた……。 ただそれだけ……。 それだけでもスカリエッティにとっては充分な感情である。 ふわふわと、気持ちが柔らかくなって。知らないうちに自然と口元は緩んでいた。 「ありがとう……。」 「ケロッ、自信を持った方が良いーであります。」 にこにことこちらが照れてしまいそうになる輝かしい笑顔を見せてくれるケロロ。 そんな彼に男性はまだ自己紹介を済ましていないことに気付き、口を開く。 「ありがとうカエル君、まだ名乗っていなかったね。私はジェイル・スカリエッティ、科学者をやっているんだ。」 おっ、自己紹介は宇宙共通の最初のコミュニケーションでありますな! とスカリエッティと名を告げた彼にケロロは気を良くし。ビシッと両手をを腰に沿え、右手を斜めに額にくっつけて名を名乗る。 「ケロッ!我輩、ガマ星雲第58番惑星 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長 ケロロ軍曹であります。」 「宇宙……それは興味深いね。軍曹君と呼べば良いのかな?」 「ノンノンノン!コミュニケーションに遠慮なんて無しだって~。好きに呼んで良いであります。」 スカリエッティの尋ねに「わかってないなぁ。」というかのように肩を浮かせてその小さな緑色の右手をひょっこりと差し出す。 「だから我輩も、スカ殿と呼ぶであります。」 ケロロの言葉にスカリエッティは彼の右手に自身の右手を重ねて握手を成立させる。 スカ殿か……。 初めてあだ名ような呼び方を付けられ、嬉しそうに微笑んで小さな彼の名を呼ぶ。 「よろしくね、ケロロ君。」 「よろしくであります。」 冬の寒さを溶かしていく澄みきった春風のように純粋な心のまま成長した科学者と宇宙人が出会った。 そして、ミッドチルダの世界に嵐を巻き起こす……のは後の話。 「ねー、スカ殿。この娘の名前おすぇーてー。」 ぴょこっと寝台に飛び乗り、横たわる少女を見遣りながらケロロはスカリエッティから名を尋ね。 教えられる。 その名は 「ああ、彼女はNo.4・クアットロだ。」 伝説のアノ人の仮の名前にケロロは更に興奮したのか目を皿のように丸く広げ、クアットロへと敬礼をする。 まさか、メガ・バズーカ・ランチャーを限界まで撃ったお方に会えるなんて……我輩感無量であります!! 「ケロ!4番目とかマジでカッケェェ!最高じゃん!」 「そ、そうかい?」 ケロロは真っ直ぐいて白と黒の美しい配色の眼から涙を溢れていた。 そんな彼に「何故泣いているんだ、ケロロ君は?」とスカリエッティは聞きたかったが彼から熱い何かを察し、言葉をかけれない。 「ねーねー、早くクアットロ殿起動しないでありますか?」 「え、軽っ。」 今の今熱い何かは何処へいったのか、けろっと雰囲気が切り替わり。ケロロは急かすかのようにスカリエッティに尋ねてきた。 が、スカリエッティも新しく出来た小さな友人の楽しそうな笑顔を見たくもあり……彼から少し離れて近くのコンピューターへと歩み寄る。 あれだけの反応だ……他の娘達にも会わせてあげたい。 「ケロロ君、クアットロは起動できないから先にNo.1から3までの娘達を紹介するよ。」 「マジ!?会わせて会わせてー!」 意外であったスカリエッティの言葉にケロロは。 プロトタイプからG-3も居んの!?と驚きと喜びが心を高揚させる。 そして、手元のコンピューターに設けられた通信機器にスカリエッティが誰かの名前を呼び。すぐに三人の女性がケロロ達の居る研究室へと到着した。 「まず三人共紹介しよう。彼はケロロ君、私の宇宙の友人だ。」 スカリエッティからの紹介に三人は同じタイミングで頷き、ケロロを認識して一人の女性が先だって挨拶をし始める。 「No.1、ウーノです。よろしくお願いしますケロロ君」 「彼女は情報処理や私の秘書を務めている。」 スカリエッティと同じ紫色の長い髪を揺らし、ぺこっと頭を下げる彼女に続き、金髪の女性と紫色の短髪の女性が前に出てケロロと握手を交わす。 「そして次はNo.2とNo.3。No.2は潜入や隠密行動を特化してNo.3は高速戦闘に特化している。」 「名前はドゥーエ、よろしくねケロちゃん。」 「トーレだ。よろしく頼む。ケロロ。」 そんな彼女達にケロロは元気よく笑顔を浮かべ、昴ぶった心が影響して震えた右手で敬礼をする。 やべぇよ……これならケロンはあと10年は闘えるであります……ゲロゲロリ。 「ウーノ殿、ドゥーエ殿、トーレ殿。よろしくであります。我輩こんなにガンダムに会えるなんて夢みたいであります!」 その笑顔は輝かしく、まるでさんさんと大地に恵みをもらたす太陽のように明るい。 彼の笑顔を見る者にさえ恵みをもたらすように……。 スカリエッティから紹介され、知り合ったばかりの戦闘機人の彼女達も彼の存在は好印象となって焼き付いた。 「ガンダム?」と三人は同時に首を傾げたが。 とくにトーレはケロロと左手で握手したまま、彼の姿に見入ってしまっている。 なんて、つぶらな瞳なんだ……可愛い。 「…………。」 「ケロ?トーレ殿どうしたでありますか?」 トーレの顔を見上げると彼女の瞳は潤みを帯び、頬はほんのりと赤く染まっていた。が、ケロロはその反応が分からず。?を浮かべて尋ねた。 「ああ、いや、そ、そのだな。」 ケロロからの尋ねにトーレは途端に慌ててしどろもどろになってしまう。 そんな妹の態度を姉二人は何と無く理解していた。 ウーノは、可愛いもの好きだから……。と ドゥーエは、スイッチ入ったわね。と 「可愛いからってトーレ。ケロちゃん一人じめしないでよ。」 「あ、す、すいません。ドゥーエ姉様。」 注意をされ、名残惜しむようにケロロを見遣りながら彼から少し離れ、今度はウーノとドゥーエがケロロの頭を撫でたり抱きしめたりしてくる。 「ケロロ君、ウーノお姉ちゃんって呼んでね。」 「ウーノお姉様ズル。なら私もお姉ちゃんで良いわ。」 「ケロっ、お姉ちゃんでありますか?」 なかなかに彼女達に受けが良い彼にスカリエッティは口元に手を沿えて笑みを零してしまう。 思ってたよりも、ケロロ君とこの娘たちの相性は良いみたいだ…… 待てよ。ケロロ君は宇宙から来た。ということは船でか……。 彼の言葉に推測し、スカリエッティはその疑問を口に乗せる。 「ケロロ君、君の宇宙船を見せてくれないかな?」 「良いでありますが。」 ウーノに抱きしめられたままケロロは不思議そうに「ケロ?」と首を傾げてそう答えた。 「ハッ…………。」 が、そこで彼は船と仲間達、洞窟を壊してしまった事を直感的に思い出す。 あ、忘れてた……みんな脱出したかなぁ。 「ゲロォ……。」 途端にげんなりと、痩衰えるケロロの表情にスカリエッティは?を浮かべてしまう。 「どうしたんだいケロロ君?」 「ケロ……そのぉ。とっても言いにくいのでありますが。」 「?」 その場にいた一同が「なんだろう。」とケロロの言葉を待つ。 そして 「入口壊しちゃった♪」 てへっ。とケロロはキャップを被ったような頭に両手を沿えてぶっちゃけた。 そんな彼を見て、ついに我慢出来なくなったトーレがウーノ、ドゥーエに囲まれていた小さな宇宙人に抱き着く。 「きゃわいぃぃ!!」 「ゲロッ!?」 その力は半端なものではなく、愛の篭った怪力で抱きしめられ。 次第にケロロの緑色の肌が赤く染まり、青くなって意識が薄れていく。 ケロ……ああ、見える。時が見えるでありまーす。 〔りまーす〕 〔まーす〕 〔まー〕 何故か心の中で語尾が反響する。 そしてケロロはぐったりとトーレの腕の中で気を失った。 「ちょっとトーレ、ケロロ君死ぬから!!」 「唯一のマスコット殺さないでよね~。」 姉二人からの指摘にケロロの可愛さにスイッチが入っていたが、ハッと我に返り。 ケロロを見下ろすとケロロは白目を向いて口から魂が立ち上っていた。 「ぁあっ!大丈夫かケロロ!?」 そんな娘達やケロロの光景をスカリエッティは嬉しく思っていた。 これは良い出会いだ、何となくだけどこの施設にいるのが楽しい……。 慌ててケロロを介抱しているトーレ達を面白いそうに眺め、そっと笑い声を零す。 「さて、入口の確認とケロロ君の船を見てみるかな……ふふ。」 ケロロ「さて、次回のリリカルケロロ軍曹STSは−−」 ギロロ「まて貴様、何を忘れてくれてたんだ!!」 タママ「ひどいですぅ!」 クルル「まぁ、好き勝手出来るから良いけどな。クーックックック」 ケロロ「まぁ、よくある事じゃんドンマイドンマイ。 第2話「ケロロ小隊、散らばっちゃった。であります!」てことで……どすか?」 ギロロ「ごまかすなぁ!!」 ケロロ「ゲゲ~ロ。」 ゼロロ「あれ……皆は何処?また、僕一人……ぼっちなんだ…………。あはは、そうなんだ。そう……だよね。うん、分かってたよ。」 前へ 目次へ 次へ